バルタザールどこへ行くの作品情報・感想・評価

「バルタザールどこへ行く」に投稿された感想・評価

人の愚かさって時が経っても変わらない。
きっと今も悲しい目でロバに見つめられている。

今回も«手»の映し方が気になった。
初めてのロベール・ブレッソン作品鑑賞。

冒頭、幼いバルタザールの横顔を右から捉えたショット。画面左からぬめっと白く柔らかな手が現れ、バルタザールの鼻梁へ伸びる。なんて絵だと思った!度肝を抜かれた。

その後も描かれる手から目が離せなかった。手の映画だった。時には官能であり、時には脅威そのもの。
愛

愛の感想・評価

4.0
バルタザールから見た世界は不条理にあふれててなんとも物悲しいものでした。

バルタザールはドストエフスキーの「白痴」の公爵なのかな。ピュアな心の悲しみが瞳に現れてるようでめちゃくちゃ切なかった。

マリーにも「白痴」のナスターシャを感じるし、文学的で味わい深い作品。
ひゃら

ひゃらの感想・評価

3.9
バルタザールの演技?すごすぎないか…もらった解説のコピーにもあったけど通して官能的、しかし一回じゃよく分からない部分が多すぎた。車のシーンはかなり良い(展開が、ではなくて)し、ロバは4番目に好きな動物なので切なくなってしまった。
美乃里

美乃里の感想・評価

3.5
ロバの瞳ってどうしてあんなに
物憂げで美しいのか

バルタザール(ロバ)の視線が
観客の視線でもあるのかなと思った
それほど、ロバの心境に自分の心境を重ね合わせることが観ていて多かった

ブレッソン、今回の2本ともそうだけど
少女を汚すのは常に男性という構図、結構嫌だったな、異性が少女に与えた影響が如実に少女の表情や身なりに表れてくるのを描写するのが快感なのかな、、あたらめて考えるとかなり嫌だな
鑑賞メモ。序盤でうとうとしてしまい、話に全くついていけなくなった。
ヨウ

ヨウの感想・評価

4.0
ロバの視点から現実の非情さを描くという何処から何処までも奇奇怪怪な映画。全てが予想を裏切る方向へ向かっていくので私の常識ではとてもついていくことができなかった。禍々しい人間の営みによって弄ばれゆくいたいけなロバの運命。これが人生の正体なのだと言わんばかりに突きつけられる無慈悲な物語に絶句する他あるまい。純情な少女の闇堕ちへの経緯は善徳などという概念へ死亡証書を差し出し悪徳な世の到来を象徴しているようで頗る悍しい。常軌を逸した映画体験の中で惨たらしさだけでなく歪な美の形も見出されるのは不思議で堪らない。巨匠ロベールブレッソンの偉大さを身を持って知った。今の感性では本作の魅力の半分も汲み取れていない気がするが、並々ならぬ余韻が後を引いており、いつまでも私を困らせる。何だかんだでブレッソン沼にハマってしまったようだ。今の時代にこのような至高の傑作を劇場鑑賞できる機会を与えてくれたことに感謝感謝。
oVERSON

oVERSONの感想・評価

3.9
ロバは凄かったけど、ある一つの行為に注視した『スリ』『抵抗』の方が好きだった。
ただ、ここでも罪を犯す者のイノセンスが描かれていて、これがブレッソンらしさなんだなと思った。
2021-172
ロバのバルタザールと少女マリーの孤独。何もかもうまくいかなくて嫌になる。そりゃ、全部投げ捨ててどっかへ消えたくもなるよ。

あり得たかもしれない幸せな未来を割りと想像出来る構成になっているのがまた、苦しさに一役買っている。でもそのもしかしたらの幸せだって、人々の間の窮屈さを考えたら、どこまでの意味があるものだか。

突出した悪人は登場しないのに誰一人として好きじゃない。皆、揃いも揃って身勝手過ぎるのよ。一般大衆の嫌らしさ。瀕死のバルタザールを救った酔っ払いの男性は唯一感じが悪くなかったけど、謎の突然死。マリーの車に勝手に乗ったチンピラは、まあ完全にクソだった。行為の気持ち悪さが常軌を逸してる。

ロバのバルタザールの演技も上手かった…あちこち盥回しにされて、行く先々でこき使われて。マリーとバルタザールを観ていて終盤はただ悲しくなった。映画的には美しいかもしれないけど、醜い世界。しかも現実と地続きな印象で、映画が終わってからもズッシリした感覚が残った。
Midori

Midoriの感想・評価

4.0
ほとんどはバルタザールの目を通して語られます。彼の目は素晴らしいです。

感情移入するのは難しいですが、強いて言えば、それはマリーの母親になるのではないかと思います(彼女がジェラールにラジオを渡したのはよくわかりませんが)。

これでもかってくらい引用されるシューベルトのピアノソナタ第20番ですが、これはヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の『雪の轍』でも使われています(私はワレリー・アファナシエフが演奏したものが好きです)。
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