ぼなちゃん

デビルマンのぼなちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

デビルマン(2004年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

や、たしかに悪評も納得ではありました。

かくいう私も怖かったので同僚に付き添ってもらい、職場でながら見視聴でしたし、愛情深い同僚のお姉さまをもってして「しゃあないよなあ…みんながみんな俳優なりたいわけちゃうもんなあ…」という鋭利なひとことを言わしめたものではありました。

でもあの、この★3について言い訳させてほしいんですけども…

私、原作漫画デビルマンに殺されて以降、「全てのヒーローを不動明と比べてしまい、全く受け付けない身体」になってしまった代わりにですね、デビルマンという名のつくものならなんでも食べよう、ひとまず咀嚼しようという心を手に入れたんですね…?

ですからデビルマンについて想いを馳せる時間をたっぷり過ごせた、という点ではなかなか有意義だったな、と…。

2019年の今、かつては映画館で見た人も実在するというのに酷評大喜利に参加しようでもないってのもありますが…一番大きいのはNetflix版が存在することですよね。ちらほら湯浅版の引用元では?と思われる箇所あるじゃないですか。

陸上部設定は冒頭シーン膨らませたのかなーとか。ミーコをセカンドヒロイン昇格させて一般デビルマンたちの姿を描くアイデアとか。アモン×シレーヌ設定とか…これはエッセイ準拠説あるけど私は未確認…。あと飛鳥了が漫画では、作劇的にも、複雑な性格してそうって意味でも、矛盾が多いキャラクターなわけだけど整理しましょうよ、ていう提言はあったわけじゃないですか。彼の個としての要素「ぶっ飛んだ相棒」「不動明絶対守るマン」を繋げて強調した結果、公(悪魔の王・神)としての要素が死んで(結果警官コスで人間どもを射撃するふしぎなサタンが生まれた…)、漫画のわずかな救いの要素が消え、BL風味の完全バッドエンドという部分に関しては湯浅版と一緒で…。いや!個の物語に集約したNetflix版がデビルマンのキモを抑えてるとは私はあまり思わないんですけど、まあでも面白かったじゃん?!?!正直、結論全然違うのになんでだろ…と思ったけど、湯浅版の原作は漫画じゃなくてこっちだと思ったらかなりしっくりくるよ!!

ヒロインもそうですね、私原作の美樹ちゃんのありように関して、不完全な部分も含めてもうね、完璧!!だとおもってるんですよ。でも「恋するヒロインたるもの相手に対する理解度が高くなければならない」現代に、あのキャラ再現できないだろうなーとは思ってたわけで… 案の定湯浅版では漫画版の逆張り美樹ちゃんだったわけじゃん?でまあ、その中間に実写美樹ちゃんがいると思うと、けっこう心が安らぐっていうか…不動明のこと分かってる風だけど映画版だとわたしが不動明のことわかんねえから結果的に不動明への理解度が問題にならないっていうか、まあここの距離感大事じゃん…なんかギャルだし…ギャル好き…美樹ちゃんといえばミーコとの百合未満のシーン良かったし…ミーコと染谷将太のおねショタも良いパートだよね…

一番の失敗は!!不動明が不動明じゃないことだけですよ!!!!
それ以外はわりと勉強になった!!勉強ってなんだ?!??!

まああの、なんでこんなことに?と驚く機会がすごく多い映画ではあります。つまりその理由について想像する機会が多いということです…だからその、それこそデビルマンに描かれているような人間固有の悪について心当たりがある分だけ、いや〜な想像しちゃうんすよね…なので、私的にはアホダメ映画!ゲラゲラ!というかんじではなかった…監督が亡くなってるというのも聞いてたし…ここに感想書き込んでるみなさんもそうだと思いますが、ここに書き込む権利というなんか悲しいものを手に入れるために完走したとこはあるし…全体的に雰囲気がかなりどんよりしてて、自分も巻き込まれる罪悪感があって、そこはわりとデビルマンぽいよね。

まあ、私は見て良かったっすよ!
ぼなちゃん

ぼなちゃん