色もご

カールじいさんの空飛ぶ家の色もごのレビュー・感想・評価

カールじいさんの空飛ぶ家(2009年製作の映画)
3.9
まさに「悲しき試金石」。

カウボーイ人形、大きな瞳のモンスター、クマノミ…他のピクサー作品と比べ、主人公のカールじいさんは正直地味。
相棒もめんどくさいダメ少年。
リアルなはぐれ者たちの物語だから、共感を得られにくい(ゆえに評価もされにくい)。
しかも似通った設定で比較されやすい『グラン・トリノ』的美学もない(もしよかったら『グラン・トリノ』のレビューもあわせてどうぞ)。

でも待てよ、と。
そもそも映画という娯楽の持つ意義って、「スクリーンの中の他者を追うことで、観客である自分ではない他者を応援し、同時にその他者から応援される」ということじゃないのか?

共感できない主人公たちはドラマを通して確実に成長した。
そこを見逃してしまって祝福できない人にたぶん成長は訪れないだろう。
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