色もごさんの映画レビュー・感想・評価

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.7

とにかくチューニングが上手くいってる。
カルトさとポップさのバランスが取れてて、「どっちの人でもいける感」のある作風が見る人を選ばない。
全員どこかしらで得るもの・刺さるものがある。

性別不詳な赤子
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.5

ロミオとジュリエット的な、シンプルなラブストーリーだった(でしかなかった)のが微妙に残念。

主人公の炎のエレメント(属性)はADHDかなんかの発達障害のメタファーかな?とちょっと推測。街や仕事場での
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ラストレター(2020年製作の映画)

3.6

百合と若く純粋な恋への憧憬が溢れんばかりの、岩井俊二の得意技盛り合わせ。とにかく森七菜ちゃんがめちゃめちゃ仕事している。
下敷きになった『Love Letter』ではさほど感じなかった、同じ人物の少年
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.2

ファンに対してはこれ以上ないプレゼント。
アニメを何度も見ている人にとっては声優の交代に違和感があるかもしれないけど、写実を越えたリアルなアニメの表現、ケチつけるところのないカメラワークで飽きることな
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セッション(2014年製作の映画)

3.9

スポ根モノだけど音楽をテーマにしてるから面白くなっている一方で、そのせいでツッコミどころが多く歪になっている部分もあって、感想が分かれる映画。
僕は音楽が好きなので細かいことが気になって好きになれない
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君の名は。(2016年製作の映画)

3.7

基本的に映画というものは、歳をとって知識や経験を得てから触れる方が味わい深いものだ。
しかしこの『君の名は。』は「若く幼い時に鑑賞する方が楽しめる」という稀有な作品である。

まだ見ぬ運命の相手との恋
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.6

ぱっと見言うほどは悪くないけど、前作のよかったところを色々いじってきたな、という印象。

個人的なことを言えば、クライマックスに超人バトルを見たいわけではなかったかな……よくわからんけどそういうのはハ
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.7

1級エンタメ作品!
ド派手な画と怒涛の展開に終始揺さぶられ、なかば強制的にアゲさせられた。
僕にとっては「冷静に語れない映画こそ、良質の映画である」という典型例。
普段見ないものを矢継ぎ早に見せられて
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TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ(2015年製作の映画)

3.7

クドカンの趣味全開で、見る人をしっかり選ぶタイプのエンタメ作品。

僕はロック好きで知識もあって、しょうもないギャグも好きだから楽しんで見られた。
ただまぁ合わない人は余裕でいるだろうし、そうだと色々
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.1

知的で、儚く、美しい作品。
非常に訴求力の高い作品であったがゆえに、僕を含め色んな人がこの手のジャンルに抱く幻想は、上記の要素が視覚的に示されないと成り立たないものなのか?という疑問が湧いた。
徹頭徹
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.8

伊藤沙莉・真空パック映画!たぶん彼女以上にこの女性を演じられる存在はいないと思う。当て書きだろうなとは思うけど、期待にしっかり応える好演です。(あと何気にニューヨーク屋敷も真空パック)

「一日を切り
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耳をすませば(1995年製作の映画)

3.9

制作から30年近く経って、当時の意図以上に美しくエイジングされてる気がする。
時代としての一昔前を回想した時の懐かしいきらめきに加えて、失われてしまった思春期の頃を思い返す時の眩しさ、それら2つが相乗
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

1.5

いや〜笑った笑った!
ヒット作品『花束みたいな恋をした』の二番煎じというか、明らかに2匹目のドジョウ狙いなんだけど、ここまで滑らせることができるんだ!と感動すらおぼえる、愛すべきトンデモ映画。

セッ
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少林サッカー(2001年製作の映画)

3.2

設定やCGの雑さ、サプライヤーが全部PUMAなところとかは癖になるけど、ちょいちょい引くレベルで汚い描写があるのがしんどかった…

とはいえサッカー映画の中ではそこそこに面白い方かと。サッカー映画に分
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.4

「自分のために作られたとしか思えない映画」は数あれど、今回は僕の中で完全に異質だった。
そもそも「僕のための映画」とは主人公の行動原理に心底共感できる作品のことだったんだけど、今作は「僕のかつて見てい
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.2

異分子を包摂できる社会の尊さを直接的に伝えていて、とてもほっこりした。
よくも悪くもおとぎ話ではあったが、だからこその訴求力がある。

そして何より構成がめちゃくちゃ優れている。特に印象的なツカミが素
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6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

3.8

物語が淡々としているとか、あまりにもリアルすぎて退屈だとか言ってる人が多いけど、僕らの(少なくとも僕の)人生は主人公・メイソンのものよりずっと退屈だったんじゃないだろうか?
そのことに気づくとなんか変
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ドンファン(1995年製作の映画)

4.2

筋書きの曖昧さとか、うだうだ言ってんじゃねえ!
ベストコンディションのジョニー・デップを拝み、ヤツにしか出せない謎の説得力に酔いしれろ!!

とにかくね、この映画にちゃんとライドできる、優しい人であり
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風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

3.8

ジブリはとにかく宮崎駿1人の作家性が出すぎているなって毎度思う。

空飛ぶ完璧ヒロインことナウシカとの対比として登場する、空を飛ばないグロテスクな王蟲は(宮崎を始めとする)オタクの気持ち悪さを描いてい
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.5

評価が難しすぎる作品。
基本的には原作漫画に忠実であることをモットーとしていながらも、クライマックスであるラスト30分の立ち回りでは原作をさらに強化し、その印象を強めることに成功している。

ただ、こ
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リトル・マーメイド(1989年製作の映画)

4.0

ヒロインの設定が絶妙すぎる。
鈴を転がす歌声、奔放な性格もさることながら、アリエルの魅力は豊かな髪の毛の表現だろう。
女児が欲しいもの全部持ってればそりゃ憧れられるよな、という感じ。
エルサやラプンツ
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もののけ姫(1997年製作の映画)

3.9

テレビとかなんやかんやで、数年に一度は見る映画。
単純な勧善懲悪・二項対立の話じゃないから毎度スッキリしない。
正解とされる見方みたいなのもわからない(たぶん特にない)からモヤモヤするけど、それが曖昧
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.8

spectacular!!
個人的な思い入れだとしか言いようがないけど、この作品に対しては冷静でいられないんだよね。

とにかく主人公を始めとして、登場人物全員のことをここまで愛おしいと思える映画って
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.9

アクションのド派手さとか、世界観がどうこうというのももちろんすごい。
しかしこの映画のもっとも素晴らしい点は、言葉で説明せず徹頭徹尾「映像で語っている」点にある。

登場人物の置かれている状況や心情の
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カンフー・ヨガ(2017年製作の映画)

3.7

始めから終わりまで胡散臭くないシーンが一瞬たりともないのが最高。
安っぽいCGが脳味噌をくすぐってくる。

個人的には開幕の三国無双と助手の女の子の整形無双がめちゃくちゃツボだ。
まったくもって、作り
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2分の1の魔法(2020年製作の映画)

3.6

父親(ラセター)を失った、ピクサーの息子たちの物語。
兄は魔法を夢見るピクサーのファンで、弟は才能のあるピクサーのクリエイターのメタファー。

懐古主義的な兄(ファン)を厄介に思いながらも、冒険を通じ
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プリンセスと魔法のキス(2009年製作の映画)

3.7

いいところ/よくないところが半々あるなという印象。

いわゆるディズニーの価値観(プリンセス、星に願いを、等)をメタ的な視点で取り扱うことに初めて成功した作品で、その功績は大きいと思う。
「夢」の自縛
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ベイマックス(2014年製作の映画)

3.5

質のいい子ども向け映画。
勧善懲悪がしっかりしてて、悪役のバックグラウンドもわかりやすい。
「人を傷つけてはいけません」という教訓もある。

ただ一方で、大人である僕が見てもめちゃくちゃ面白いってわけ
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魔法にかけられて(2007年製作の映画)

3.4

「公式が出した同人」という趣き。
ディズニーは著作権関係が厳しいので、ここまで露骨なファンムービーはワン&オンリーだと言っていい。

2000年代前期の「過去作にすがった作劇」の極地というか、結局「デ
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ボルト(2008年製作の映画)

3.5

ディズニーにあの!ピクサーのラセターがやってきたぞ!
クソみたいな拝金主義作品を燃やし尽くして、子どものために良作を作ろうじゃないか!

という話であって、それ以上でもそれ以下でもない。
主人公のボル
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ウォーリー(2008年製作の映画)

4.4

褒めるところが多すぎる。傑作としか言えないよ。
最高級の恋愛映画であり、ディストピアSFであり、人間讃歌。

メカニックと人間の対比を始めとして、各所に散りばめられた演出効果がとにかく素晴らしい。具体
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インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

3.7

ものすごく挑戦的なエンターテインメントを作ろうという気概を感じる作品。
このテーマ性でここまでわかりやすく楽しませられるというのは、やはり驚異的だと言わざるを得ない。

…ただ、僕は乗れなかった。
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モンスターズ・ユニバーシティ(2013年製作の映画)

3.6

「お前の気持ちはわからないよ。でもダメなのはお前だけじゃない」

何を差し置いても、このサリーの発言だ。
彼の安易な共感に逃げない優しさに救われる人は多いと思う。

ヒット作のプリクエルということでス
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カールじいさんの空飛ぶ家(2009年製作の映画)

3.9

まさに「悲しき試金石」。

カウボーイ人形、大きな瞳のモンスター、クマノミ…他のピクサー作品と比べ、主人公のカールじいさんは正直地味。
相棒もめんどくさいダメ少年。
リアルなはぐれ者たちの物語だから、
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ズートピア(2016年製作の映画)

4.7

何を差し置いても作られねばならない映画が、数ある選択肢の中で一番モア・ベターな形で作られていたことに『とりあえず』乾杯(手放しで、ではない)。

「偏見と加害性のありよう」は存在する人の数だけパターン
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崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

3.0

僕はロリコンじゃないから入り込めなかったけど、言いたいことは理解できる。

大人の女の人(グランマンマーレ)は魅力的だけどなかなか接点ないしデカくて怖い…
その点女児(ポニョ)は天真爛漫に愛してくれる
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