Shu

告白のShuのレビュー・感想・評価

告白(2010年製作の映画)
4.0
「告白」を観てきた。
原作小説が発売当時に物議をかもしていて興味があったんですが結局、読まないまま過ぎてしまったところにあの中島監督で映画化と聞き絶対観に行こうと思ってた。
母親であった教師が娘を生徒に殺されその復讐を企てるお話。
映画が始まって10分もしないうちにぐっと引き込まれる。教室のシーンの独特な画角。褪色させたような映像の色合い。音楽の使い方は今までの手がけた作品で証明済み。なにより最初から最後までキッチリ鷲掴みにして離さない脚本、演出。この作品の中でマトモな人物はひとりもいなく、感情移入なんて出来ないと思っていながら主人公の冷酷な行動、仕業に
徐々に爽快感すら感じてワクワクしまう自分が要ることにゾッとさせる。
ブラッドピット主演の「セブン」を劇場で見終わった時の焦燥感にさらに爽快感が加わった感じ。
作品中で「命の重さ」「少年法」などのキーワードが出てくるけどどうもそこに比重を置いてる作品じゃなくもっとエンターテイメントに作り込んだ監督の計算があるように思う。
もっとも印象深いのはファミレスでの一連のシーン。森口先生が女生徒を前に計画を告白するシーンに「うひゃ~」とドキドキし店を出てから路上での先生にグッとさせられたり。初めて松たか子って演技が上手いのだなと思った。というかこの作品に出演してる役者はみんな演技が素晴らしかった。
恐らくこの作品を抜く邦画は暫く出てこないだろう。中島哲也監督の最高傑作だと思う。

(2010年06月12日レビュー転載)
Shu

Shu