KJ

告白のKJのレビュー・感想・評価

告白(2010年製作の映画)
3.7
湊かなえの原作、映画化では一番好きかも
いやでも小説のほうがやや好きなんだけど、
それは表現の違いである

実写、小説、アニメーション、マンガもそうだけど
この話は面倒くさいので2度としないと思うけど

それぞれのジャンルにしかできない表現が必ずある

料理に例えてみようかな
実写とアニメは、完成した料理
味付けも済んでいて、とんこつラーメンみたく醤油とか紅しょうがを足すこともない
がしかし、実写にできないことがある
それは息づかいとか流れる汗とか、そういった臨場感であり、躍動感だ
例えばセガールとかジャッキーの映画を、アニメにまんましたら、クソつまんねーはずだ

アニメーションにしかできないのは、実写で限界のある色使いだ
雰囲気とか、空気感を色味で表現できる
最近のアニメーションは、そこをすごく気を使う
その映画のカラーを守りつつ、その場面場面の雰囲気を大事にしている
それは、CGアニメであっても同様だ

長くなってごめんなさい
小説のくだりをやります
小説は絵がない
料理だと、極上のレシピと材料は提供される
が、最後の味付けは本人次第
生かせなければ食べられないだろう

ラノベとかは挿し絵があるけど、あれはイラストレーターの中のイメージだし、キャラデザにすぎない
ゆえにキャラクターの人物像や、風景や状況は読者のイマジネーションに委ねられる
それは広がる余地があるということ
『世にも奇妙な物語』を観てて、なんかこの場面観たことあるなと思ったことがあって、よくよく思い返したら、その原作小説を読んでたことがある
自分の中のイメージと実写が重なったわけだ

芥川龍之介の『仙人』という短編だったけど
「なんかこのシーン、絶対観たことあるな!」と口に出した
あとで調べたら読んだことのある本だったという話

さてマンガのお話
マンガにも、他の表現の届かない部分がある
それは、熱量とふとした表現だ
熱量は、一本の線だけで十分
描き込み、消して描き足して、一コマを作っていく
目だけを何度か描き直すこともある

マンガは完成してるとは言えないかも知れない
実はここはこうなんだとか、小説と同じく読解力みたいにイラストを感じないといけない
イマジネーションが右脳かも知れないが、イラストを感じとるのも右脳なんだろう
なんなんだろうね またまとめます

また、一コマの表情だけで、ただのイラストに感情を表現する
目をコンマ何ミリ大きく描いたら違うし、真顔でも口を少し開ければ、すこーし驚いた感情の機微がでる
空を見上げた一コマに、桜の花びらを二枚描いただけで、春の風を表現してしまう

熱量の線を見たければ、藤田和日郎
または新井英樹なんて如何でしょう?

機微は、実はプロの漫画家なら誰でもやっているけど
調子のいいときの冨樫はヤバい
人間じゃないキャラも多いのに、絵だけで人格を見せてくる
木城ゆきともまぁ上手い
観たこともない500年後を目の前に描き上げる

湊かなえに戻ると、告白のように淡々としたミステリーはなかなかない
それぞれの独白が流れるだけなのに
プロットがよほどしっかりしてるんだろう
アーティストめ!

で、この話は面白い?(;´д`)
KJ

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