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トリコロール/赤の愛のThePassengerのレビュー・感想・評価

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)
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青年時代に受けた恋愛の痛手がもとで人間不信に陥った孤独な老人が若いモデルと出会い徐々にその心を開いていく様子を描く「赤の愛」は個人的にトリコロール三部作のなかでのベストに挙げたい。赤いジープに乗る法律家志望の男は元判事だった老人の過去の姿と重なり、海難事故の生存者として彼とヒロインの間に接点が生じる部分には運命的なものが感じられるし、同じ場面において各パートの主要な登場人物たちが顔を揃えるのもやはり運命的な繋がりに思える

偏屈な老人に扮したトランティニャンがとてもいい。恋人に裏切られ、希望を見出だせずに人生を送ってきたこの元判事の微笑で終えるラストは特に印象深い。ふたりを結びつける重要な役回りの犬もトランティニャンに劣らずの名演

(2023-45)
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