みんと

トリコロール/赤の愛のみんとのレビュー・感想・評価

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)
4.2
トリコロール三部作、順番に観進めて遂にラストは『赤の愛』。
博愛をテーマに『青』からの流れをしっかり着地させた作品だった。

“運命“の意味では『ブエノスアイレス恋愛事情』とか『パリのどこかであなたと』とも重なるある意味もどかしい設定もあったり。

そしてクシシュトフ監督の遺作でもある今作をイレーヌ・ジャコブで飾る思い入れとか集大成めいたものも感じた。

年齢を重ねたトランティニャンのいぶし銀の演技も作品の重しとなり、年齢差を超えた愛とは言えない心の交流もじっくり魅せられる。

登場するワンコも物語の鍵となりつつ癒し効果も。

運命って偶然と必然で出来ているし、愛も然りだなぁ…

フランス国旗をモチーフとしたトリロジーは「自由」→「平等」→「博愛」と、テーマ自体ぼんやり捉えどころが無い。
だからこそ、このシリーズは2度目が面白いのかも知れない。描き過ぎず語り過ぎない分奥深く、鑑賞のタイミング毎に感じ方も理解の深まりも異なるのだろうと思う。

3作全てに登場する老女のシーンの描き方ひとつとっても、緻密に意味を持たせてる事が窺い知れるし。

踏まえて、今1歩乗り切れなかった『青』を再見しようかな…?
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