三樹夫

GODZILLA ゴジラの三樹夫のレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(1998年製作の映画)
2.7
マグロ食ってるようなのはダメだな。
エメリッヒが監督した初ハリウッドゴジラ。ただゴジラというか、恐竜やモンスターという向きがかなり強い。ゴジラがマグロ食ったりなど生物感を強めている。モンスター映画としてケレン味溢れる画もあるが、何よりもまず長すぎ。2時間20分もある必要全くない。これが100分ぐらいの密度の濃い映画だったらゴジラとしては好きじゃないけどモンスター映画としては好きという人がもっといたと思うし、何よりもっと面白くなっていた。この映画は面白くないシーンがダラダラ続きすぎ。

ストーリーとしてはアメリカのオタクのなろう映画みたいなもんで、ミミズ博士と呼ばれるチェルノブイリでミミズ採ってた、はっきり言ってオタク君が、ゴジラ調査チームに呼ばれ有能の働きをしていたがパーティーを追放されてしまい、しかしフランス秘密情報局に雇われゴジラを討伐する。あなたキュートねとか、あっ元カレがテレビにハンサムに映ってると元カノが言うとかオタクの自己投影甚だしい。プロデューサーと脚本のデブリンの自己投影かとか言われたが、この映画によりエメリッヒとデブリンはボロカスに叩かれることになるというか、元々叩かれてはいた。市長と秘書の二人はアメリカの映画評論家シスケル&エバートのそっくりさんで、前作『インデペンデンス・デイ』をけなされたので嫌がらせで出している。
ティム・バートやヤン・デ・ボンにオファーがいったり、ギリアムにもオファーがあったと言われているが、最終的にエメリッヒになり、エメリッヒは恐竜映画やモンスター映画として制作し、そのため思いっきりジュラパみたいな映画となった。卵の所は『エイリアン2』でもあるけど。子ゴジラが完全にラプトルで、ボールで転倒などノリが緩め。カメラマンのおっさんが踏まれたかと思ったら生きてたなど、映画に悲壮感はなく全体的に緩めな雰囲気。薬局の妊娠検査薬でゴジラの妊娠判定など緩めな雰囲気。ニューヨークは隠れる場所がたくさんあるからって、あんなデカい生物が隠れられるわけないだろ。見失うことの方が困難だろ。
主人公の元カノが窃盗の好感持てない奴な上に、主人公はオタクの自己投影感が強くキモくて、何よりもこの二人のやり取りは全く面白くない。主人公の有能さになろう感があることを差し引いても、元カノの写真をまだ飾ってるのはキモい。

ゴジラが放射熱線はかないなど、モンスター映画として撮られている映画だが、ゴジラ映画として放射熱線はかないことに不満を持つも、いざこれで放射熱線はかれても困るなと思うので、モンスター映画として作られて良かったのではないか。
ニューヨークの街中でばかすかミサイルを撃ちまくる軍、釣りのおっさんに迫ってくるゴジラ、ゴジラの口の中にタクシーが入るというケレン味溢れるド派手な画があるので、観てお土産がある映画ではあると思う。
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