うかりシネマ

GODZILLA ゴジラのうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

GODZILLA ゴジラ(1998年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

2時間20分のゆったりテンポに子供向けのギャグとなっちの読みづらい字幕が相まって、とにかく長い。

主人公と恋人がなかなか出会わないまま物語が進み、合流しても恋人があまりに屑でどうしようもなく、その後もドラマの主軸にするには何もかもが不足している。米軍も無能で、無能さでしかストーリーを進められない。
マスコミがいるのに盗聴するフランス軍で物語を回すので役割が被っているし、フランス軍にしろヒロインにしろ、リアクションが二重になるのでひたすらにテンポを悪化させる。

ゴジラは顔こそ悪くないものの、腕が長くて情けないし、熱線も吐かない、極めつけは魚を食べるというまぬけっぷり。巣に隠れる設定や、摩天楼より小さく捕捉できないというのは面白いが、怪獣の王のやることではない。
しかし、CGが多用されるとはいえ(そもそもゴジラ自身がCGだし)破壊描写はかなりいい。ゴジラがビルを壊すのは面白いが、それを上回って「米軍のミサイルをゴジラが避けてビルを壊す」という展開が多すぎる。軍部の無能さに加えて、攻撃が当たらないというフラストレーションが大きい。

ベビーゴジラのシーンは『ラドン』や『ガメラ2』といった先行作品があり、それらを超えられていない。それだけならまだしも、かなりの尺をとって等身大パニックに徹する。
ゴジラがゴジラじゃないのはともかく、ただ単に出来の悪い『ジュラシック・パーク』をやっているだけ。

全体を通して映画としては成立しているが低品質。二度の“偽りの終わり”でそのたびに引き延ばされるのも苦痛。
上映時間と連動してエピローグも長くて不快。せめて90分なら評価もできた。
エメリッヒはわざとつまらない脚本とゴミのようなデザインで断ろうとしたらしいが、少しでも面白くする努力を放棄して駄作を作ったのだから、言い訳にはならない。