もこみ

道のもこみのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
3.4
過去の作品を現代の価値観で非難するのは、そうすべき場合も大いにあるものの、やや危険で傲慢な判断になる可能性もある。という前提のもと、、、

この作品は今から60年以上も前に、巨匠フェデリコ・フェリーニによって撮られた名作映画である。それは間違いないと思う。
ザンパノとジェルソミーナと綱渡り芸人の青年の絶妙な三角関係(?)が味わい深く表現されていると思ったし、ジェルソミーナの「ザンパノには私がいなきゃ」という台詞も痛々しく、ほろ苦い。
が、もちろんそれは全く「良い描写」ではないし、失ってからヤケになって泣いてる哀れなDV男でしかないザンパノに共感はしない。共感しながら観ちゃいけないと思う。(もちろん共感できるかどうかは映画の評価に関係ないが)

なんて視点で観るのもバカバカしいんだけど、前提として家父長制キツ〜であり、じゃあそれをひっくり返すほどの魅力があったかというと、それは感じられなかったし、特にラストシーンでその思いは強くなった。そういう映画でした。
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