しばらくの間映画見ない期が続いてましたが、サスペリア以来実に2週間ぶりに映画観ました。
「カビリアの夜」がめちゃくちゃ良かったのでこれも気になっていたのですが、ちょうどよくBSでやっていたのです。
ジュリエッタ・マシーナ演じる貧しい家の娘・ジェルソミーナは、口減らしのため、粗暴な旅芸人のザンパノという男に買い取られ、芸の助手をしながら放浪する生活をはじめます。
もう、ジュリエッタ・マシーナがただただ素晴らしいですね。
最初にザンパノに芸を仕込まれる時の純真無垢なはしゃぎ方、あのよく動く表情を見てるとこっちまで嬉しくなったり悲しくなったり......ってのは『カビリアの夜』でも書いた気がしますが、ほんとにあの人の顔を見ているだけで映画一本飽きずに見れちゃうワケですからね......。しかもこれがマリリン・モンローみたいなセクシー美女とかだったらまだしも......ですからね。
ストーリーはいたってシンプルなロードムービーなのですが、そのシンプルさが素晴らしいです。
今の視点からはちょっともにょもにょしますが、知らない男の元へ売られた女性が彼と夫婦のような関係を作っていく様はそのまま恋愛観・結婚観の一つのモデルとして現在でもエモエモのエモではないでしょうか。誰しも100%の相手と結婚できるわけじゃないですが、その中で相手にどういう態度をとるのか、どう扱うのか。相手の価値をどう思うのか。
そういったことを突きつけてくるラストシーンは忘れがたい印象を残します。
あと、途中でザンパノが大きい舞台に立つシーンがあるのですが、あそこから私の中でザンパノへの印象がちょっと変わって、それがラストの余韻にも繋がっているような気がして、私はあの場面が一番好きです。あと修道院のくだりも良い......。