赤痢

道の赤痢のレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
4.2
絶望した魂とその救済

ザンパノの生きにくさ、不器用さ、繊細さが見ていて苦しい ザンパノの優しさもかわいさも孤独も、理解されてほしかった
ワイルドで不器用な男の人は素敵だけど器用で軽やかな身のこなしの男の人も素敵
「お前以外に誰が奴の側にいられる?この世の中にあるものはかならずなにかの役に立つんだ お前がいつ生まれ死ぬか人間にはわからん おれには小石が何の役に立つかわからん これが無益ならすべて無益だ 空の星だっておなじだとおれは思う お前だって何かの役に立ってる」 いつも危ないことして死を考えて捨てるものがないからこその軽快さが、すごく魅力的だった 大切なものを増やしたくないという気持ちが伝わってきた
「同じところに長くいるとどうしても離れられなくなるから 住む土地に愛情が湧いて一番大切な神様を忘れる危険がある 私は神様と二人連れで方々をまわるわけなの」
食事シーンの適度な雑さも好き 生きている価値なしと思ったときに 一緒にいてくれる人がいることはとても大切なことだ

何度も観たい映画だな 何か悲しいことがあれば最後の海を思い出したい
赤痢

赤痢