ゆんぶりっく

スクール・オブ・ロックのゆんぶりっくのレビュー・感想・評価

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)
1.8
久々に鑑賞
やはりこの映画、何故こんなにも評価が高いのだろうか…?
正直主人公が人間として好きになれずノレなかった。
自分の捻くれた感性がそう思わせるのだろうが…

そもそも映画の設定として教師という上の立場の存在が、ギターが弾ける、歌が上手いというスキル、ないしは素質がある生徒を選んでバンドを組み、残りの連中には、「全員に役割を与える」と都合のいい事を言ってグルーピー役だの警備だのその他裏方に強制的に振り分ける。
初ライブに行くときもメインのバンドメンバー以外は工作の為に教室に残らされていたりと、才能があるメインメンバー以外は音楽を聴く(バックアップする)側に回れという考えがまず納得できない。

そういう選民的な発想や、体制ってロックと最も遠いところにある考えじゃねーのか???

このバンド活動を通してメインのバンドメンバーやスタイリストなど自分の可能性の広がりを感じられた生徒もいただろうが、警備やら機材運び、グルーピーに割り当てられた彼等はこの大事な時期に勉強もせずに校長先生の監視やらをやらされて何か得たものはあったのか?

なにかもっとこう裏方に回っている生徒も含めて全員にバンド活動をしたい!と思わせる理由をもたせた方が良かったのではとは思ってしまった。
それがない状態で一方的に音楽(または雑用)を子供達にやらせている為、主人公が自分が音楽をやりたいという一方的かつ自分本位な理由の為に、無垢な子供をうまく言いくるめて利用し、才能がないその他大勢を蔑ろにしてるクズにしか見えないのだが…

第一、そんな立場が上の存在から半強制的に(生徒達本人がノリノリだったとしても)、かつ生徒達本人にさほど主張がない状況でやる音楽がロックンロールだとは到底思えない。
この映画ってロックを歌いながらも、ロックの本質からはズレてるような気がするんだけどなぁ…

と同時に「授業なんてそっちのけで音楽やらせてくれる先生なんて最高だぜ!!こんな先生がよかったぜ!!」なんて思えなくなってしまった自分が悲しくもある…

天使にラブソングをが良かったのはちゃんと全員が表舞台に立てていたし、普段抑圧されていた感情を、聖歌によって発散すると言うのがエモかったわけで、今作よりもよっぽどロックしてるなと思いました。
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