このレビューはネタバレを含みます
序盤と中盤、終盤で主人公のデューイに対する印象が全く違うのがこの映画の持つ、音楽の力という名の巧みさを表現している。
序盤は現実を見ずに自堕落な生活をする主人公を見て、苛立ちを覚えたのは僕だけではないはず。中盤では研究と称して行われるロックの歴史や理論、演奏練習がいつバレてしまうかドキドキしていたし、危ない綱渡りを生徒たちにさせていることをさせながらも、音楽を楽しむことで悩みをブレイクスルーしていくのはエンディングに向けて少しずつテンションを上げてくれた。
終盤のライブシーンは、ボヘミアンラプソディのライブシーンを見た時と同様に、以前から応援していたかのように感じた。
教師としてデューイが優れていたかは判断できないが、恐れずに己を持つことを教えるために、生徒たちにとってあのライブがどれほどの自信になるか。考えるものがある作品だった。