shun

櫂のshunのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
4.0
「耐えて忍ぶだけが女ですろうか」この通りの映画だった。

「鬼龍院花子」や「陽暉楼」のような派手さはないものの、この時代の女たちの生き様が見れた。

とにかく十朱幸代、20年の時の流れを演技で表現しちゃうんだからすごい。

準主役に石原真理子。あまりこれまでの五社監督には無い立ち位置のキャラだなって思った。「おなごを、わやにすな!」がいい

夫が十円で買ってきた長女も、夫と愛人との間に生まれた次女も、夫が売り捌いてきた少女たちも、みんなが彼女のことを「お母さん」と呼ぶ。
こんなクソみたいな夫に抑圧されながらも子どもたちに愛を注ぎ続ける母親の姿が心に残る。

「お母さんみたいにええおなご、どこっちゃおらんきね」
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