May

大人は判ってくれないのMayのネタバレレビュー・内容・結末

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

少年アントワーヌが持つ膨大なエネルギーに終始振り回された。大人たちがつくった世界や事情からの逃走と葛藤がとても淡くて、とても悲しい。ボロボロのパジャマや寝床、言葉遣いがひどく一番身近である大人、つまり親から全く愛されていない。学校をサボった言い訳を「母が死んでしまった」という嘘には笑ってしまったが、このセリフの意味合いが物語を追っていく中で変わっていく。

終盤、少年院に入れられてしまうアントワーヌは脱走を図る。逃げるように走りまくったその先は一度も見たことのなかった海で、もう先には進めないからと引き返すラストシーンはとても寂しく、でもやっていくしかないんだと力強い。
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