ゴン吉

大人は判ってくれないのゴン吉のレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
4.0
一人の孤独な少年を描いたヒューマンドラマ。 

ジャン=ピエール・レオが主演、パトリック・オーフェーらが共演。
フランソワ・トリュフォーが原作・脚本・監督を務める。 

少年アントワーヌ(ジャン=ピエール・レオ)は、学校では先生に目を付けられて叱られてばかり。
ある日、親友と二人で学校をサボって街で遊んでいると、母親の浮気を目撃する。
翌日、学校で先生に欠席理由を聞かれて、母親が死んだと嘘をつく。
その後、家出をして親友の家に隠れ住み、父親の職場からタイプライターを盗んでお金を得ようとするが……

オープニングはエッフェル塔の映像で始まる。
本編早々、学校の授業中にみんなで悪戯をしていたのに少年アントワーヌだけが先生に叱られる。
アントワーヌは大人からは叱られてばかりで親友だけが心の拠所。
彼は母親の連れ子で、両親は共働きで日中は不在という複雑な家庭環境。
両親に見放されて最後に少年の目に映ったものは....

フランソワ・トリュフォー監督自身の幼少時代を投影したとも言われている作品で、ジャン=ピエール・レオが孤独な子役を好演しており、ラストシーンが印象的です。
主題曲のBGMも少年の孤独感をよく表現していて心に響きます♬
トリュフォー監督は本作品で“ヌーヴェルヴァーグの旗手”として評価されることになるが、「大人は判ってくれない」という題名のように、本作のヌーヴェルヴァーグとしての本当の価値が、私には十分に判らないのが残念。 

2023.7 NHK BSP で鑑賞(字幕:山田宏一)
2022.9 NHK BSP で鑑賞(字幕:山田宏一)  
第12回 カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞(1959年)
ゴン吉

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