Kei

大人は判ってくれないのKeiのレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
2.7
両親に愛されず学校では教師に怒られてばかりのドワネルが家出をし非行に走る物語。
父親は怒る際にドワネルを殴り母親は息子に対して怒ってばかりいる。
夫婦仲も悪くドワネルは夫婦喧嘩を頻繁に聞かされていた。
家での生活だけではなくドワネルは学校でもストレスを溜めていく。
学校ではほとんどドワネル自身が引き起こした悪戯により怒られるため自業自得ではあるが、そうした悪戯は恐らく家で溜まったストレスを発散するために行ったものだと考えられる。
家では愛されず学校では怒られてばかりのドワネルは窃盗という形でもストレスを発散する。
最終的には警察に捕まり少年鑑別所に送られてしまうが、両親は手のかかるドワネルを引き取らないことをドワネルに伝える。
ここからも両親がドワネルを愛していないことが伝わる。
両親に愛されていない悲しさと、その悲しさを紛らわすために学校での悪戯や非行を行う自分の将来に対して漠然とした不安を抱えるドワネルの姿が描かれていた。
本作はトリュフォーの自伝的作品となっており、家庭環境に不満を抱えた経験がある鑑賞者の多くに共感を与えるものだと思う。
また、本作は公開当時としては画期的なストーリーとして評価されているのかもしれない(勉強不足なので本作のストーリーの斬新さが評価されているのか否かはよく分からないが)が、私としては家庭環境に不満を抱え非行に走った少年の人生と心情を特に工夫なく描いたあまり面白みのないストーリーであると感じた。
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