このレビューはネタバレを含みます
「われわれは幸福も不幸も大げさに考えすぎている。自分の考えている程幸福でもないし、かといって決して不幸でもない。」
ドワネルも慕ったバルザックのこの言葉を理解する瞬間、少年少女たちは走る。
学校では先生に理不尽に怒られ、家では夫婦喧嘩を聞きながら眠っているふりをする。子どもはいつかそんな現実と向き合わないといけないときがくるのだけど、最後にドワネルが走って走って走って(この長回しはすごい……)カメラに向けた顔はまさに成長した青年の顔だった。
少年2人が学校をさぼって映画にいったり家出を企てて実行にうつしたりする光景がすごくよかった。