まーしー

紅の豚のまーしーのレビュー・感想・評価

紅の豚(1992年製作の映画)
3.0
「飛ばねぇ豚はただの豚だ」
「徹夜はするな、睡眠不足はいい仕事の敵だ。それに美容にも良くねぇ」

多くの名言を残した、言わずと知れたジブリアニメ。
第二次世界大戦前のイタリアを舞台に、魔法をかけられ豚になった飛行士のお話。

主人公のポルコ・ロッソがシブい。そして、女心に疎く、どこか女性に対して不器用。涙を流している女性の存在にも気づかない。
そのようなポルコが、一人の女性のためにライバルにタイマン勝負に挑む姿は、まさに男の中の男。豚だけど。

ポルコに訪れる衝撃のラストも必見。余計な説明をしないところ、観客の想像に委ねるところに好感も持てる。

宮崎アニメの真骨頂とも言える、ヨーロッパの街並みと飛行機のアクロバット飛行を楽しめるし、加藤登紀子の歌も映画に見事にマッチしている。
また、フィオの祖父ピッコロの声を演じた桂三枝にも違和感がない。
主人公が豚の飛行士という設定も、アニメだからこそなせるワザ。これが実写であれば萎えたことだろう。

以上のように、目立たないところに良さが凝縮されている。隠れた良作であることは間違いないだろう。