まさ

紅の豚のまさのレビュー・感想・評価

紅の豚(1992年製作の映画)
4.0
飛べない豚はただの豚

本作に出てくる大人のセリフ、ひとつひとつが心に沁みる。
自身の気持ちをストレートに表現せずに、皮肉まじりに伝え掛け合いをしていて、綺麗で少しもどかしい感じがたまらない。

それでいて全員が相手の気持ちを理解し、リスペクトしながら関係を築けているところにグッとくる。

それに対比してフィオは思ったことや感じたことをストレートに言いたいタイミングで伝える。
純粋で無鉄砲で自己中心的で可愛らしく、まさに「子ども」として描かれている。

ただ、その発言一つ一つに納得できるのはきっと視聴者の代弁を担っていて
大人たちのもどかしくも素直になれていないところに、土足で踏み込んでいる。
その言葉にギクっとしながらも「大人になれば分かるよ」とあしらうマルコ。

子ども時代に見たとき
「じれったい!ジーナじゃなくてフィオでいいじゃん!」って思ったが大人になってみると
「あー。なるほど。行き着くところは空かぁ」と思えるようになった。

男の不器用さと真っ直ぐさと夢を選んでしまう童心さを
「男はバカね」の一言で悟らせるジーナ
その一方で「いつか必ず結ばれる!」と思うフィオ。
その気持ち知りながらも空に飛び立つマルコ
男として「そうでありたかった」と理想を具現化した作品

少し大人な雰囲気のある映画だが
それ以外のシーンはとてもポップで、今のジブリには無い昔ながらの「アニメーション」の雰囲気。
ギャグも多くあくまでも子ども向けでの作りになっている。

ただ、ロリコン気質を出しすぎやろー
とも思える笑
まさ

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