パトラin南アフリカ

紅の豚のパトラin南アフリカのレビュー・感想・評価

紅の豚(1992年製作の映画)
4.4
30歳こえてから初めてしっかり見たけど、めちゃくちゃ大人向けのアニメーションだった。
なんかお酒でいうと、ウイスキーみたいな作品。絶対子どもとか10代には人気でないわ笑

これ女性人気はどうなんだろう?

ポルコのカッコつけた言動の裏に隠れた大人の男の情けないところの表現が上手すぎる。
それらを全て理解しているジーナの大人の女のいじらしさ(?)みたいな表現力も素晴らしいのだけど、これは男が身勝手に考える『良い女』であるからなぁ。
そういうところもひっくるめて、ある程度の歳になった男からの支持が高そう。

男と女を物凄く明確に分けているのも特徴だね。

カタギじゃないとか、豚であることを半ば言い訳みたいにして人間と距離をとろうとするポルコに対して、若さ剥き出しで真っ直ぐ詰めてくるフィオとポルコの感じもいいね。
ラストのキスはビックリしたし、それで顔が変わったかのような思わせるけど、それは映さないのがまた良いね。

ジーナの表情とフィオのキスの作画エグい。

ラストもフィオの語りのエピローグだけで済ませるから、明確な答えは出さないんだよな。この明確にしないのが、いかにも紅の豚という作品らしいと思える。

あと名前は忘れたけど空軍の友だちとの、映画館でのやり取り、あれは名シーン過ぎる。大人の会話過ぎる。

ジーナのセリフだったかな?
『ここではアメリカより人生が少し複雑なの』みたいなセリフが、まさにこの映画のテーマだと思った。