Ryo

紅の豚のRyoのレビュー・感想・評価

紅の豚(1992年製作の映画)
3.8
人間を捨てた者を主人公にしたからこそ人間賛美の映画になっている。

ポルコが豚になった理由は?
イタリア空軍に所属していたポルコは、第一次世界大戦を経験して軍隊社会に苦悩し、自らに豚になる魔法をかけて軍隊を去った。「ポルコ・ロッソ」という言葉の意味は 「赤い豚」という意味だそうで、イタリアでは侮蔑の言葉だそうです。情けない自分を侮辱する。「豚になる魔法を自分にかけ続け自らを侮辱し続けているのではないでしょうか。
人間を捨てたポルコ。にもかかわらず、途中で人間に戻る場面があります。
一度目は、カーチスとの決戦前夜。銃弾のチェックをしている横顔が、一瞬だけ人間に戻っています。
二度目は決戦に勝った後。画面には映りませんが、カーチスの反応から人間に戻っていることがうかがえます。
 彼が人間に戻りかけた理由は、とてもシンプル。ポルコが言った、次のセリフが全てでしょう。
フィオを見てるとな、人間も捨てたもんじゃねえって、そう思えてくるぜ。
重く感動的で人間を称賛した言葉です。


ジーナとポルコは結ばれたのか?
ラストのほう・・・ホテル・アドリアーノ。昼に来客用の桟橋ではなく、裏の庭側に小さく赤い飛行艇が止まっているのが見えるのです。一瞬です。おそらく結ばれたのでしょう。まあ観客に任せてるのかもしれないですが。
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