Sano

スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナスのSanoのレビュー・感想・評価

4.0
456を補完する前日譚としてよくできている。
アナキンの幼少期、オビ=ワンのパダワン時代の姿、ダースシディアスが権力を得る過程、旧三部作とは比較にならないほど進化したライトセーバーの剣劇が、わりとベタな政治闘争をベースに過不足なく描かれている。
「描かなければならないこと」が多すぎてストーリーに起伏がない点はマイナスポイントで、456のあとに123を出すというストーリーテリングの斬新さだけが宙に浮いている感はあった。

公開当初は批判も多かったというが、映画の出来としてはトーンが控えめながらそれほど不評を買うものではない気がする。1980年代のシンプルな筋書きと当時としては世界観があまりに画期的だったため、きっとファンの脳内史とジョージルーカスの描く正史がミスマッチしてしまったのだろう。
シリーズが完結しSWの全貌が明らかになった今となっては、そもそもSW自体にそれほど前後に奥行きがある世界観ではないことは厳然たる事実として認識しておく必要があると思う。
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