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サンダカン八番娼館 望郷のRのネタバレレビュー・内容・結末

サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

“からゆきさん”のお話


「にいちゃん、うちは辛抱して働くばい」

「天草…わしは日本になど帰りとうなか、そんためにこのサンダカンに墓場つくったとたい、お前たちも国へ帰ったらろくなことはなかぞ、帰ったらいかん」

「お前から銭でのうて、貰いたかもんがあるとじゃ…東京へ帰って、他にも手拭いば持っとるとなら、今お前がつこうとる手拭い場ば、わしにくれんか」田中絹代が栗原小巻から受け取った手拭いを抱きしめながら「この手拭いば使うたんびに、お前のことば思い出せるけんな」って言った後エンエンエンエン泣く、田中絹代はいつだってすごい。彼女の強いけれど、どこか悲しさを憂いている眼差し、そして才能が大好き。

どんな思いで生きてきたの…って、家族のためにと思って海外へ行き女浪として働き、帰ってきたらクソみたいなことを言う兄夫婦、自分たちのことしか考えていない村の人たち。とりあえずお金だけ送ってきてくれるけど会いには来てくれない息子とその嫁。その全ての事がぐあああっと田中絹代の演技に引き寄せられて、久しぶりに映画観ながら嗚咽混じりに泣いてしまった。

栗原小巻も素晴らしかったが、オサキの若い頃を演じた高橋洋子も最高すぎた、高橋洋子の映画、もっと観たい…(勝手に見ろ)
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