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性遊戯の一のレビュー・感想・評価

性遊戯(1969年製作の映画)
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これは普通に面白い。というか吉澤健が素晴らしい。現在進行形の学生運動を捉えつつ、ノンポリのフーテン青年のスチャラカな青春ピンク映画。若松プロの人たちなんてみんなバリケードの中にいる側だと思うけど、ちょっと自嘲的というか、中嶋夏の和装ストリップに怯んだ左翼学生をノンポリの吉沢が「そんなことで革命ができんのか」と煽り、そいつらは結局山谷初男の自家製爆弾で爆死する。もちろん右翼を茶化すのも忘れていない。平凡パンチに載った楯の会の制服を着た三島由紀夫のグラビアをこれみよがしにビリビリ破く。吉沢たちは軍服を着て街中に繰り出し「ハイル!ヒットラー」と叫ぶ。ラストは国会議事堂前のロングショット。カメラが彼らを追いかけながらパンし、そのままドヤと言わんばかりに皇居にズーム。愉快だなー。ガイラ(小水一男)とオバケ(秋山道男)がそのままの役名で出演。

2021/1/27
『性地帯 セックスゾーン』足立正生
山谷初男の丸木戸定夫シリーズ。心中に失敗して女を殺し、温泉街に流れて芸者を殺す。『犯された白衣』から連なる、実際の事件をモチーフにした女性不信のピンク映画。意外なほど手堅く作っていて感心する。もちろん『略称・連続射殺魔』とか『噴出祈願』とかにも感銘は受けるけど、変に思想が入ってるよりも、こういうほうが全然イイ。
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