一さんの映画レビュー・感想・評価

一

ネオン警察 ジャックの刺青(1970年製作の映画)

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脚本・大和屋竺&曽根中生、監督・武田一成(ちなみに助監は加藤彰)という今にもロマンポルノを撮ろうかという面々が揃ったダイニチ映配のヤクザもの。そしてしっかりそちらのサービスは多めです。一応任侠映画の型>>続きを読む

(1956年製作の映画)

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3年ぶりに再見。やっぱり名作。タメの効いた若尾文子のクロースアップがどれもこれも素晴らしい。そして僕はこの映画の佐田啓二が大好きである。そういえば『明日をつくる少女』と同じく、本作も若尾が勤めるのはハ>>続きを読む

有楽町0番地(1958年製作の映画)

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川頭義郎も松山善三も木下恵介の弟子なのに渋谷実みたいなことになっていてウケる。詩人から広告屋へ転身する勅使河原宏(恵介に師事)キャスティングのおふざけも相当だし、挙げ句の果てに木下忠司(恵介の弟)まで>>続きを読む

女を忘れろ(1959年製作の映画)

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スマートな小林旭は魅力たっぷりだし、化粧っ気のない浅丘ルリ子はびっくりするくらい可愛いんだけど、この映画で一番輝いているのは旭と同棲する年上彼女・南田洋子だ。旭と懇意になるルリ子に旭の姉だと勘違いされ>>続きを読む

伴淳・森繁の糞尿譚(1957年製作の映画)

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スカムなドタバタ喜劇かと思ったら、汲み取り屋の貧乏社長・伴淳三郎が利権絡みの政治に巻き込まれる社会派糞映画だった。というかかなりネオリアリズモだった。橋本忍が脚本を請け負うのも納得である。地元の政治屋>>続きを読む

大穴(1960年製作の映画)

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これは面白かった。団鬼六(黒岩松次郎)原作、菊島隆三脚本という意外な組合せの経済ギャンブル喜劇。杉浦直樹が学生身分を武器に口八丁手八丁で株を売り買いして背広の世界と渡り合うのが痛快。金の話とはいえ何だ>>続きを読む

ハイ・ティーン(1959年製作の映画)

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ありそうでなかった高校教師・佐田啓二。生徒が妊娠したり傷害事件起こしたり、金八もビックリのヘビーな1年間。着任早々、白シャツのままラグビー部の練習に混ざってタックル食らって泥んこ。生徒の桑野みゆきに連>>続きを読む

真昼の罠(1960年製作の映画)

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ささきいさお主演のアウトロー青春もの。凝ったショット多いし、『デス・プルーフ』をも想起させる車を使ったバイオレンス描写なんか悪趣味で嬉しくなっちゃったが、監督・脚本の八木美津雄はなぜ篠田正浩のようにな>>続きを読む

花と沼(2020年製作の映画)

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別題『キモハラ課長 ムラムラおっぴろげ 』。キモいおじさんに性的興奮を覚える女性が主人公のピンクコメディで相変わらず普通に面白いが、ゼメキス『マーウェン』を観たときのようになかなか考えさせられるところ>>続きを読む

ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 4K 完全無修正版(1975年製作の映画)

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素晴らしい。荒んだ田舎町とゴミの山にあって、元々不可能な関係性がほんの一瞬だけ甘美に映るまやかしのロマンスにまんまと騙されてしまう。少年のような見た目の両性具有者として不毛地帯に現れ異様に輝くジェーン>>続きを読む

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)

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本作でサウンドデザインを手掛けたウォルター・マーチのインタビュー本『映画もまた編集である』を今すぐ読み返したいが手元に無い…。ハリソン・フォードが不気味な存在感を放っていてとてもイイ。

友情(1975年製作の映画)

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人が良くて明るくて寂しくて帰る家がないというザ・渥美清な渥美清。にしてもかなりビターなエンディングだ。6年ぶりに帰った故郷の家で妻・子・父・幼馴染と対面したときのあの張り詰めた居たたまれない空気の演出>>続きを読む

炎の氷河(1957年製作の映画)

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バレエ講師の斎藤達雄と株屋の多々良純、おじさんの性欲が実に気色悪い。高橋貞二って相変わらず打っても響かなそうな面してるなーとか思っていたら大いに眠ってしまった。

眼の壁(1958年製作の映画)

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面白かった。自殺に追い込まれた上司・織田政雄のために仕事そっちのけで巨大な黒幕に挑む普通のリーマン佐田啓二がんばりすぎ。リアリティラインを超えておっぱじまるラストの銃撃戦の最中に響き渡る左卜全の呼び声>>続きを読む

月給13,000円(1958年製作の映画)

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サラリーマン社会の風刺喜劇で、主役は曲がったことが大嫌いな九州男児・南原伸二(宏治)だが、社内に入り乱れる多数の登場人物たちを捌く手際が鮮やかで楽しい。粒揃いの役者陣は観ているだけでなんだか幸福で、特>>続きを読む

明日をつくる少女(1958年製作の映画)

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明るく、楽しい松竹映画 meets 山本薩夫といった趣の労働者群像劇で山田洋次の面目躍如。舞台となっているハーモニカ工場のセットがどれもこれも素晴らしい。苦渋の労働・生活環境とは対照的な、ウブで朗らか>>続きを読む

幽霊暁に死す(1948年製作の映画)

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大好き。ケレンたっぷりの尋常ではない演出・カメラワーク・編集、そして一人二役を演じる長谷川一夫を捉えるトリック撮影、これは躁の映画だ。教員会議のシーンでのドラッギーな音演出ホントにどうかしている。かと>>続きを読む

人も歩けば(1960年製作の映画)

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主演・フランキー堺による軽妙なナレーション&吹替でトントンと物語に導入させるアバンタイトルは後の大傑作『箱根山』を思わせる楽しさで期待が高まる。わが愛しの沢村いき雄があまりにもポックリ昇天してるの笑う>>続きを読む

ニュー・ジャック・アンド・ヴェティ(1969年製作の映画)

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『壁の中の秘め事』『胎児が密猟する時』から脈々と続く若松プロの密室志向が本来的な密室にて極まった傑作。必然のごとく乱交にまで至るブルジョワ階級たちの混乱は、たしかにブニュエル『皆殺しの天使』を想起させ>>続きを読む

愛欲の標的(1979年製作の映画)

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楽しい~。白坂依志夫×増村保造イズムを感じる凝縮されたテンポとクレッシェンドするスラップスティックになんだかクラクラした。宮井えりなと策謀して年上の金持ち夫を「完全に」殺した中丸信は「葬式までそれとな>>続きを読む

逆情(1964年製作の映画)

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面白かった。母が頑張る映画は数多あるだろうが、おそらくトップクラスに頑張っている。崖の下へ落っこちた夫と息子を救うため、グラマー女優・扇町京子が肌着姿でひたすら奔走する。そこに凶悪脱獄犯も絡んでカット>>続きを読む

高級ソープテクニック4 悶絶秘戯/迦楼羅の夢(1994年製作の映画)

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「宮沢賢治的映画とはヤクザ映画だ」とかつて瀬々敬久はエッセイに記したらしいが、この映画のラストは『仁義の墓場』であり、そういう意味で福間健二が評するように中上健次(+柳町光男)と宮沢賢治が重ね合わされ>>続きを読む

見えない恐怖(1971年製作の映画)

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盲目のミア・ファローが屋敷の中で起こった事態に気がつくまでのイヤーな猶予の時間がたまらない。ファローが屋内をうろつくあいだに得意気なフレーミングでチラチラ見切れる死体に僕ニッコリ。そして異変に気づき慌>>続きを読む

実録エロ事師たち(1974年製作の映画)

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素晴らしい。寂しいわけじゃないけれどなんだか寄る辺なく世の中の隅のほうで息づく男たち女たちを淡々と物語っていてなんか感動する。高橋明がしょっぴかれるときに道路に転がるブルーフィルムの俯瞰ショットかっこ>>続きを読む

俗物図鑑(1982年製作の映画)

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中川信夫に「映画の無限の可能性を思わせる」と言わしめたらしい内藤誠&桂千穂による自主映画。原作料はタダ、駆り出された80年代サブカル文化人たちもプロの役者たちもほぼノーギャラだという。死ぬに死ねない自>>続きを読む

薔薇と鞭(1975年製作の映画)

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倦怠夫婦と生きた捧げ物による倒錯SM三角形。自らが用済みになったことを受け入れ、わざわざ白いネグリジェ纏って、「幸せでした」と誰に向かって言うでもなく呟いて落ちていく山科ゆりにちょっと泣きました。th>>続きを読む

新宿マリア(1975年製作の映画)

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擦れた少女娼婦マリアを演じる中島葵がやっぱりイイ。少女って見た目でもないのだが。「アタシね 愛だとか道徳だとかって信じてないの 大っきらい」。脚本・高橋伴明による売春婦とテロリストのロマンス。舞台の新>>続きを読む

デソレーション・センター(2018年製作の映画)

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80年代初めLAの砂漠で3回だけ敢行され、LollapaloozaやBurning Manの参照元となった無許可ライブイベントDesolation Centerのドキュメンタリー。西海岸を中心とした8>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

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キアロスタミ作品における車の中という空間の特別さが際立つ会話劇。人物と人物が同一のショットに収まる場面は思っている以上に少なく、車内での会話は徹底して隣席からのワンショットを繋ぎ合わせて作られている。>>続きを読む

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

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『友だちのうちはどこ?』→『そして人生はつづく』→本作とメタにメタを重ねながら、映画の中の映画はむしろ映画の外側に存在する世界を輝かせるのだった。テイクとテイクの合間、ショットとショットの合間に、本を>>続きを読む

スペシャルレッスン 変態性教育(1990年製作の映画)

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ハルマゲドン、悪夢、吸血、幽霊、そしてもちろんブラウン管とビデオテープ。女同士のオーラルセックスを基調としてエロシーンが大部分だが、素敵すぎるモチーフが横溢していて最高だ。相変わらず音楽も良い。

蔵の中(1981年製作の映画)

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この時期の角川映画とは思えないくらいにこじんまりとした淫靡と退廃の世界。二人きりで蔵に閉じ籠る聾唖の姉・松原留美子(ニューハーフ)と弟・山中康仁の二人芝居はたしかにちょっと辛いところもあるが、望遠鏡を>>続きを読む

大江戸性盗伝 女斬り(1973年製作の映画)

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桂千穂の血飛沫だ。即物的な死体の撮り方とか『ズームアップ暴行現場』を思い出すかっこよさ。破滅を予感させるに留まる小川節子の顔エンディングもイイ。高橋明の時代劇ルックがあまりに似合ってなくて笑った。

人間に賭けるな(1964年製作の映画)

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競輪で破滅する渡辺美佐子が出てくる映画は漏れなく最高。『競輪上人行状記』とこれしか知りませんが。クールに登場したはずの美佐子がどんどん自らの熱に呑まれて盲目的に執念をバーストさせていく姿がホントにかっ>>続きを読む

痴漢日記5 尻を撫でまわしつづけた男(1997年製作の映画)

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個人的に痴漢モノって何故か『地下鉄連続レイプ』とかより全然受け入れがたいんだが、中盤の螢雪次朗と白石ひとみによる"痴漢ちょっとイイ話"がリフレインするクライマックスにはまんまと感動させられてしまう。シ>>続きを読む

白鳥の歌なんか聞こえない(1972年製作の映画)

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桂千穂の初単独脚本作品。ウジウジした童貞浪人生の大したことない話なんだけど、姿を現さない近所のインテリジジイの来るべき死がとりとめのない日常の時間を覆っていく不思議なムードと覇気のない岡田裕介の顔がな>>続きを読む

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