一さんの映画レビュー・感想・評価

一

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第七の犠牲者(1943年製作の映画)

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自殺志願の女がきっちり自殺する話。ストーリーは雑でよくわからないが、一見普通の人々がカルト宗教を信奉し集う禍々しい恐怖と不安感は楽しい。全然頼りにならない探偵が闇の奥の謎の部屋で殺害されるシーンだとか>>続きを読む

帝銀事件 死刑囚(1964年製作の映画)

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新聞記者を主人公にしたことで、被告人家族の悲痛がこれでもかと迫ってくる『真昼の暗黒』のようなエモーションはそこまで感じない。こちらでも冤罪で裁判にかけられる信欣三の妻を北林谷栄が演じていて、谷栄つくづ>>続きを読む

真昼の暗黒(1956年製作の映画)

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劇中でも思わず被告人や傍聴者が噴き出してしまうように、笑っちゃうくらい出鱈目な警察や検察のやり口を、元になった実際の事件の最高裁判決が下る前に告発している凄まじい映画。二本立てのもう一本だった『帝銀事>>続きを読む

夜の片鱗(1964年製作の映画)

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売春婦とヒモの話。インポになってからヒモとしての完成度がグッと高まる平幹二郎にはたしかに見捨てがたい愛嬌があって、「君はこんなことをするような子じゃない愛してるんだ一緒に逃げよう」とかしょうもないこと>>続きを読む

(1997年製作の映画)

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おもしろすぎ。久しぶりに会った若い女とテキトーなセックスして首が曲がっちゃう息子、ゲイサウナで若い男に拒絶される父ちゃん、AV見て愛人に迫るも相手にされない母ちゃん、家に響く電マのブーンて音、唯一やっ>>続きを読む

愛情萬歳(1994年製作の映画)

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挿しっぱなしのカギという異世界的なモチーフに始まり、セールスマンの男は腕を切るに切れず、無言のままの男女はするするとセックスに至る。始まりはちょっとしたコメディ。けど、日常からの逃げ場だったマンション>>続きを読む

青春神話(1992年製作の映画)

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窓の外側の虫叩き落そうとして割って出血ってバカみたいな始まり。そんなかんじでだいたい下んない。二人の少年の別視点がひとつの画面に収斂されていくような期待を煽っておいてその復讐はとことんセコくてみみっち>>続きを読む

ハウス・バイ・ザ・リバー(1950年製作の映画)

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南部ゴシックでたまんない~。最後のバカみたいなカーテンも百点。

暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)

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格子越しのキスの甘美。たしかに「門は開かれ」た。が、その先も結局はどん詰まりなんである。この世界はすべて壁に囲まれ、門は開かれてなんかいない。塀の中で囚人たちと楽しそうに野球をする根明でいい奴そうな牧>>続きを読む

市川馬五郎一座顛末記 浮草日記(1955年製作の映画)

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まあド直球な左翼労働映画だけど、悪徳興業主にタダ働きさせられるどさ回り劇団とストに立ち上がる炭鉱の労働者が“貧乏”によって結託していく過程にはホロリとくるし、決起集会での合同プロレタリア演劇はやっぱり>>続きを読む

あやに愛しき(1956年製作の映画)

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田中絹代が分裂病の話。初めのほうのカメラがぶれまくる錯乱演出や精神病院に足を踏み入れるときの禍々しすぎる音楽やわりと悪趣味な患者の描写にはわくわくした。旦那で売れない小説家の信欣三が熱く文学語り出すと>>続きを読む

ナイルの娘(1987年製作の映画)

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シャオヤンは泣き方のお手本みたいに二度泣く。一度目はひとりバスルームに駆け込んで、二度目は妹のスカートのピンを探し机を散らかしながら。
風で開きまた閉まる玄関の扉。マジック。

1999年の夏休み(1988年製作の映画)

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萩尾望都原案のお耽美BL実写化。ナイーブが過ぎて恥ずかしい~!ってなりそうなところを、女性が男性を演じるキャスティングやロケーション、台詞などによって崇高なファンタジー世界を構築させていて素晴らしい。>>続きを読む

あなたの微笑みはどこに隠れたの?(2001年製作の映画)

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作家のマイケル・オンダーチェが『ゴッドファーザー』とか『カンバセーション…盗聴…』とかの編集をしたウォルター・マーチにインタビューしている『映画もまた編集である』って本を去年読んで、僕がテッキトーに流>>続きを読む

グレイ・ガーデンズ(1975年製作の映画)

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リアル『なにがジェーンに起ったか?』なイディ母とイディ娘のドキュメンタリー・ミュージカル。悲惨で痛々しいけど、でも美しい過去と叶っていたかもしれない夢をカメラの前で思う存分ハツラツとぶちまける二人を見>>続きを読む

緋色の街/スカーレット・ストリート(1945年製作の映画)

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若い愛人がいたらいいな~の欲望のまま愚鈍な切実さで幻想に人生を託してしまうパッとしない中年エドワード・G・ロビンソンほんとに惨めで見てらんない。というか他人事と思えない。針飛びしてループするレコード、>>続きを読む

飾窓の女(1944年製作の映画)

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こないだ読んだジジェクの本に言及があったな~と思って読み返してみた。
「この映画が言わんとしているのは、観客を慰めるような、『あれはただの夢だったのだ。私はみんなと同じように正常人であり、人殺しではな
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どぶ(1954年製作の映画)

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性根の腐ったルンペンたちの呆れ笑うしかないどうしようもなさ。20万入った金庫目当てに激走する飯田蝶子(顔見るだけで現実感が押し寄せる)最高。そんな奴らにたかられる知恵遅れの乙羽信子。宇野重吉&殿山泰司>>続きを読む

浪花の恋の物語(1959年製作の映画)

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初めて行った遊郭で買った遊女有馬稲子にとことん惚れて入れ込む錦之助、真面目な顔してしょうもない。それでも物語の中ではせめてもの救いを捏造出来、この映画は美しい。黒バックに舞う稲子のなんて可憐なこと。

赤い陣羽織(1958年製作の映画)

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中村勘三郎ががんがん安い笑い取りにいってて微笑ましい。有馬稲子と伊藤雄之助がいちゃついてるの見てるだけで何かが満たされる。

朱の花粉(1960年製作の映画)

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眠くて細部がぼんやりしてるけど、シャッキリ観てもすぐ忘れるんで、きっと面白かった。山内明もともとイヤなかんじの顔してるな~と思っていた
が、今回はホントにイヤでよかったな。
有馬稲子が乗った汽車を遥か
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胸より胸に(1955年製作の映画)

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これは傑作だ~と思って観ていたが、あんまりなラストに怒りすらこみ上げてくる。ホントに納得いかない。にしても有馬稲子がただただ素晴らしい傑作には違いない。宝塚仕込みのダンスはもちろん、流しのストリッパー>>続きを読む

女性に関する十二章(1954年製作の映画)

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まあみんなよく喋る。原作者がナレーションしたり、登場人物がカメラ目線で語りかけてきたり、遊びまくってて楽しい。バレエのシーンなんかまさに市川崑という構図。胡散臭すぎる芸術評論家の上原謙最高。

たそがれの女心(1953年製作の映画)

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オープニングの鏡台やクローゼットを移ろうカメラだけでもなんだかわくわくする。贅沢妻のしょうもない狂言に始まる軽い笑い話かと思いきや、彼女がひとりで歩く海辺、車窓からばら蒔かれた手紙と雪、決闘場に響く一>>続きを読む

縮図(1953年製作の映画)

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“WE ARE NOT THINGS”な芸者残酷物語。同じ1953年の溝口健二『祇園囃子』以上に、芸者業の人身売買性をあからさまに告発している。
死んだほうがマシ生きてるほうがしんどいってこともやっぱ
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

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突飛な演出もさむいオモシロも松岡茉優で全部アリになるからすごい。ピカピカのパンプス履いて家を出てボロボロになって帰ってくるヨシカにいつの間にか共鳴している(友達は「これは私の映画だ」と言っていた)。し>>続きを読む

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ(2017年製作の映画)

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現代アメリカロマコメの名作じゃないの。難病に人種民族宗教、くどくなりそうな題材も軽やかなステップでクリアしてロマンスを物語る。昔のあだ名が"ビートルジュース"な元ゴス少女ゾーイ・カザン最高にキュート。

勲章(1954年製作の映画)

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おもしろい~。「時代が悪い」とひたすら自分に言い聞かせる居場所のない元軍人ジジイの暴走、痛々しすぎて見てられない。橋本忍印(たぶん)の怒涛のラストに度肝抜かれる。あと香川京子に対する岡田英次の口ぶりが>>続きを読む

「通夜の客」より わが愛(1960年製作の映画)

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佐分利信の「大きくなったら浮気をしようね」という吐くほどキモい呪いに、最後に至ってもなお"然り"とかかり続ける有馬稲子が見てられない。佐分利が書いた新聞記事をぜんぶきっちりスクラップする稲子、早く目を>>続きを読む

地獄のローパー、緊縛・SM・18才/「SM18才」クレーン、宙吊り(1986年製作の映画)

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やりたい放題キレキレのSM・ナンセンス・ギャグでとても楽しい。博愛のサディスト下元史朗はじめとして、先日観た『超いんらん やればやるほどいい気持ち』の監督池島ゆたかも『濡れた欲情 特出し21人』のはみ>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

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徹底的!どこまでも徹底的でわかりやすくてもう言うことない~。カウンターカルチャー以前のスクエアなアメリカ白人のダークサイドを一身に背負ったマイケル・シャノン不憫~。乱暴なセックスとイライザの部屋のドア>>続きを読む

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

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何もかもが凄すぎて胸がいっぱい。超シンプルなファンタジー英雄譚でありながら、物語についての物語であることを劇中で散々キャラクターに言及させ、物語による救済を完璧に物語る。そしてスタジオライカ恒例の「全>>続きを読む

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