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パンチドランク・ラブのkoheiのレビュー・感想・評価

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)
4.0
《恋はパンチドランクのように》

男女が出会って結ばれるラブストーリーと言ってしまえば確かにそうなのだが、そこには「奇妙」としか言いようがない事物が媒介していた。この普通ではない異様さがものすごく好みでした。


カリフォルニアに住むバリー(アダム・サンドラー)はトイレの詰まりを取る吸盤棒の販売をしている独身男。癇癪持ちで、ハンマーで窓ガラスを叩き割ったり周りにある物をボッコボコに殴りつけたり突然泣き出したり、精神的な問題を抱えている。そんな彼の元に姉の同僚であるリナ(エミリー・ワトソン)が現れる。自然と惹かれ合う二人だったが…。
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こんな映画見たことない!という映画に出会うと、新鮮さに驚いたり胸が躍ったりすることがある。今作は紛れもなくその感覚を味わった。"王道のラブストーリー"なのにスリラー映画に見るような緊迫感が常に流れ、登場人物は"普通とは違って"みんな変わり者。とにかく王道と邪道が混じり合う映画。そしてそれがこの上なく気持ちいい。

序盤数分で心を掴まれたなら、そのまま疾走感をもって最後まで興味を持続させられると思う。この映画には『マグノリア』のラストで見せたような「突拍子もない」と言うべき出来事が多すぎる。これを良しとするかは観る者の好みによるだろうが、その「突発性と疾走感」に、まるでパンチドランクしているような感覚を味あわせる。
それが主人公のパンチドランクラブとマッチする瞬間であり、映画を観る喜びを感じさせる。


PTA②
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