Shelby

パンチドランク・ラブのShelbyのレビュー・感想・評価

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)
4.0
いいもの見たなぁ。
見てみたかったDVDを借りてみたはいいものの、朝からラブストーリーかぁ...重いかもなぁ...なんて少し身構えて見始めたものの。なんとびっくり。
一風変わったラブコメだった。

「パンチドランク・ラブ」=「強烈な恋」
タイトル通りの強烈さ。何がって、主人公が。
情緒不安定でキレ始めたらその辺の物に当たりはじめちゃう、ちょっとイカれた主人公バリー。
自分でもおかしいとは分かっていながら、7人の姉の存在に悩まされ抑圧される毎日。何かに当たらずにはいられない様子。実際、家族皆が集まる姉の家の窓ガラスを粉砕していく姿や、レストランのトイレで暴れまくって追い出される姿が描かれている。明らかに危険な異常者。そんな中、姉の1人から紹介されたリナという女性。なんとその彼女は以前、一目惚れをした相手だった。そこから徐々に始まる2人の辿々しい恋。

バリーは真っ青なスーツ。リナは真紅のドレス。どちらも目の冴えるような色合いの衣装。
この対極さが正反対の者達をくっつける磁石に見立てているようにも見えて面白い演出。
肩肘張らずに見ることが出来る、気の抜けたラブストーリーらしからぬ、ラブストーリー。
でもどこか全員ズレていて、そのズレが可笑しさを誘う。ハワイアンミュージックがこれまた物語を軽やかに見せ、穏やかに気持ちにさせられる。
これは普通のラブストーリーとして見てはいけない。良い意味で裏切られた。
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