大分前に観て内容は覚えて無く、朝鮮戦争ものだった位しか分からない。

『暴動』のキューリック監督作品。３年ほどオクラになっていたが、ようやく陽の目を見た。アカの汚名を着せられたマーヴィンが、裁判のやり直しで潔白を証明するまで。弁護士が「本当に無罪か、彼にしかわからない」と呟く。もったいぶったエンディング。ハリウッド・テン、マッカーシズムの対する批判があったのか、もったいぶった作り。

「国のために命を張った男を処刑にすればいい！」「オレの失敗は北から戻ったことだ！」　法廷に響きわたるリー・マービンの叫びが、私の心にズシリと響いた。「大戦中は東南アジアで威張りちらし、現地人に嫌われていたぜ」とも。この一兵士の言葉をそのまま、アメリカ政府のお偉いさん方に対しても届けたい。

“本当の真実は当事者しかわからない”　小粒だがピリリと辛い法廷劇。

軍部上層部、もしくは米政府に向けられた辛辣な台詞。ひょっとしたら、当時、泥沼化にあったベトナム戦争に対するメッセージが込められた作品なのかも。

つまらないウソの上塗りで墓穴を掘っていくリー・マービン。今回の役回りは実に情けないダメ男なのだが、法廷で軍部のお偉方に対してわめき散らす場面は迫力十分。