アンナ

憂鬱な楽園のアンナのネタバレレビュー・内容・結末

憂鬱な楽園(1996年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

わかってしまった、
電車は後ろ向きで走るのが正解だ。
見えている景色をズームしていくのではなくて、見えていなかった風景が殺到する。
空の色は空ではなくて銀色に光る電車に反射した色が本物だ。
屋根の淵でご飯を食べるリンチャンをガタつきながら追って撮るリーピンビンのカメラワーク。
真っピンクの洋服で殴って噛み付く。
テレビゲームが照らす頬の涙と足の角度。
林強のバカみたいなシャツ。
ずっと困っている(いたい)彼はなぜか一方通行な愛情を許せるし、口を開けて寝れる。
犬にご飯をあげたお箸をひっくり返して使う。でもまたご飯をあげたくなってあげる。またひっくり返してお箸を使う。そういう不器用な人。
受験やエリート(警察)は理不尽(権力)の理由。新聞には男の復讐が載る。
林強の音楽は音楽というより脈拍や鼓動に近い。映画に血液を流している。
電車は大事な時間、ブツ切りにされた時間や空間を橋渡しする。
道路の広さや距離の遠さは大事、準備や片付けの時間をつくるから。
暗い原っぱに捨てられた鍵を遊びながら探せるから、ふたりは一緒に居るんだ。

35mmフィルム上映

草むらに突っ込んで心底安心したのは初めてだ!
アンナ

アンナ