butasu

ウォンテッドのbutasuのレビュー・感想・評価

ウォンテッド(2008年製作の映画)
2.5
銃弾が曲がる、という物理的にありえない画期的なアイディアが功を奏したアクション佳作。冴えない主人公が実は伝説の殺し屋の血筋を引いており、秘密組織で特訓を受け父の仇に挑む…という展開はテンプレジャンプ漫画のようでベタで熱い。序盤の嫌な上司や嫌な同僚や嫌な彼女…などの描き方もステレオタイプで雑だが、まぁこんなもんかという感じ。全体的に中途半端なコメディ演出が鼻につくが、この手のジャンル映画ならご愛嬌なのかも。中盤の特訓シーンは結構面白かった。どんな怪我でも骨折でもすぐに回復させる超便利風呂のおかげで無茶な特訓がやり放題。

終盤のどんでん返しは「まぁ強いてオチを作るとしたらこれ以外にはないよな」という想像の範囲を超えない、しかし結構無茶な展開。さすがに敵も味方もその選択肢が最善とは思えないんだよなぁ。無駄にリスクを増やすだけ。もっといくらでもやりようはあっただろうに。

玉突き事故の被害者と列車の乗客と爆破されたネズミさんたちがかわいそう過ぎる。ハリウッドアクションはこれまでも一般人の多少の犠牲はいとわない感じのやつ多いけど、さすがに今回の列車の一件はちょっと酷すぎやしないかね。

しかし主人公はジェームズ・マカヴォイなのにポスターはアンジーのみってどうなんだ。さすがにかわいそう。アンジーは本当、映画としてはかなり微妙なのにアンジーの存在感のみでもたせている系の出演作ばっかりだね。今作ではモーガン・フリーマンまで出てくるので、より雰囲気作りは完璧。中身空っぽでもそれなりに体裁が整って見える。
butasu

butasu