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スペース カウボーイのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

スペース カウボーイ(2000年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

おじいちゃん4人のワクワク宇宙旅。リアリティを一切気にせずほっこりファンタジーだと思えば普通に楽しめる良い映画。

まずこの4人の豪華なキャストが勢揃いでチームだという設定が良い。曲者揃いで観ているだけで楽しい。イーストウッドは完全にいつものイーストウッド役だったが。

しかしさすがにこのリアリティの無さはちょっと無視できない。演出が上手い(劇伴の使い方は何だか品がなかったが)ので観ていられるものの、ありえないことの連続過ぎてさすがに終始モヤモヤしてしまった。おじいちゃん4人が急に宇宙へ行けるのもありえないし、そもそも作戦自体がありえないし、若い女性と恋に落ちるくだりはありえない上に鬱陶しいし、宇宙に出てから起こるトラブルもその対応も何もかもがありえない。逆に言うと一つもリアルなところがない、全編「ありえない」で構成されている映画。ある意味すごい。

宇宙でのトラブルはほぼあの調子こいた若者だけのせいであり、そこもイラついてしまって楽しめなかった要因。もっと不可抗力なトラブルにしてくれないと、あいつ一人のせいで皆が大ピンチ、一人が犠牲に、地球も大ピンチ、というのはさすがにどうか。

ラストのまとめ方も雑すぎる。主人公チームの達成感だけを全面に押し出すのは良いが、さすがに細かいことを放置し過ぎ。あの戦犯の若者はちゃんと謝罪して処分されたのか、脳震盪になってしまったもう一人の若者はどうなったのか、核はどうなったのか、ロシアとの関係はどうなったのか、あれだけの事態なのだからもうちょっと後日談はきちんと描くべき。

ただ、「Fly Me To The Moon」が流れる中、月に横たわる宇宙服が映るラストシーンがおしゃれで切なくて良すぎる。これは本当にずるい。トミー・リー・ジョーンズの存在感が素晴らしかったおかげ。
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