黎豚教授

ウォンテッドの黎豚教授のレビュー・感想・評価

ウォンテッド(2008年製作の映画)
4.0
WANTEDを観た。

公開当初は全く存じ上げなかったが、BSテレ東による新規吹替ということで。

主演は、ジェームズ・マカヴォイとアンジェリーナ・ジョリー。この二人だけでも割と豪華だなと感じるが、モーガン・フリーマン、そしてテレンス・スタンプまでもが出演している。キャスティングした方、センスいい、サイコー、ジィ様俳優大好きおじさんの心を鷲掴んでくれた。

で、評価だが、新規に吹替をやり直して大正解である。

劇場公開時の吹替は主演のマカヴォイをDAIGOがアテており、作品を台無しにしてしまっている。DAIGOを責めているのではなく、DAIGOにオファーした偉いさんを責めている。決して北川景子が奥さんであることを妬んでいるのではない。声質は悪くないとは思うが、如何せん演技が・・
吹替のオフィシャル化の影響で昔のように一作品で5つも6つも異なるバージョンの吹替が作成されなくなってしまった昨今、演技ができないタレントや俳優に声優をさせるのは本当にやめてほしい。(成功例もあるので一概には言えないが9割9分9厘失敗してると我は思う)

今回、新録されたマカヴォイには、フィックスの内田夕夜氏が起用されている。X-MENシリーズのマカヴォイをアテており、全く違和感なく演じている。というかマカヴォイがしゃべってるように錯覚するくらいハマっている。演技も当然ながら言うことなし。変幻自在のマカヴォイの演技に追いつけ追い越せといった感じに気合いが入っている。腐った演技しかできない声優がのさばりはじめている業界に、内田氏は一筋の光を与えてくれている。他にも、レオナルド・ディカプリオやライアン・ゴズリングをよくアテてらっさる。

アンジーは、藤本喜久子氏。恐らくアンジーをアテたのは初めてなんじゃなかろうか。だが、劇場公開版の湯屋敦子氏よりハマっていた。後々フィックスになっていけばいいのになぁと期待。

モーガン・フリーマンは安定の坂口芳貞氏。今回のBSテレ東版、劇場版とどちらも坂口氏が担当。変更しないと決断した方、素晴らしい判断である。

唯一、今回の新録で若干の見劣り、いや聴き劣りしたのが、テレンス・スタンプの配役かな。劇場版は大御所・大木民夫氏を起用。残念ながら故人となってしまったので仕方のないことなのだが存命でいらっしゃれば坂口氏同様にキャスティングに変更はなかったのではなかろうか。しかし、新録の羽佐間道夫氏も流石ベテラン、というか、困った時の羽佐間と言われるくらい多彩な演技をなさる方なので違和感はなく演じておられる。若干大木氏を意識もしてるんじゃないかと感じる場面もあった。本作を観る際は字幕または新録をオススメするが、テレンスに関しては是非とも大木氏の演技も楽しんで欲しい。今ならアマゾンプライムで劇場版吹替が観れるので、是非。

ストーリーは中弛みもなく、非常によくまとまっている。

一度はご覧あれ!
黎豚教授

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