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風車のある街のgintaruのレビュー・感想・評価

風車のある街(1966年製作の映画)
3.6
長崎とオランダの景色を楽しめる観光映画。評価できるのはその点くらい。
恋愛ドラマとしてはよくあるパターンで、主人公三浦まり子(吉永小百合)が貧乏で夢のある青年石倉力三(浜田光夫)と性格的にも何の問題もなく優しく恵まれた御曹司夏川和彦(平田大三郎)を天秤にかけ、結局夢のある青年と結ばれるというお話。芦川いづみがまり子の友人のスチュワーデス平野ふき子役だがあくまでもガイド的役割で表に出てこない。演技も控えめだった。
ストーリー的にはまとまってはいるものの、大して語ることはない。ただ、最後、何も交通事故に遭わなくてもと思ってしまった。
印象に残ったのは寝台列車さくらで長崎駅にまり子とおばあちゃん(北林谷栄)が着いたとき、車内で出会った石倉と別れた後、まり子は厚かましい人と不機嫌だがおばあちゃんは「若い男の人大好き、話をするだけでも気分が若返る。男性ホルモンの放射能のせいかな。」というのがちょっと衝撃的。何も被爆地長崎でそういうセリフ言わせなくてもと思った。
オランダの観光名所がいろいろ紹介されいるのは楽しめた。運河などは今でもそう変わらない風景だろう。アムステルダムだけでなくいろいろなところへ行っているのが面白い、まあ、現実的ではないが。
それと、女性が皆スカーフをしているのが当時の流行を感じさせる。最近は見ないけれど、髪が乱れないし、日よけにもなるから実用的なので、またはやるかもしれない。
しかし、この夢見る貧乏青年と御曹司を二股に掛けた挙句、貧乏青年を選ぶというパターンは何がいいんだろう?だいたい話的に説得力に欠けるし、御曹司の方が不憫だ。御曹司が性格悪いやつとかならまだわかるが、あっさり身を引くし、どこまでもいい人のパターンが多いんだよねえ。まあ、当時、ほとんどの人が貧しい中でこうした話の方が夢を与えられたのかなあ。
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