半兵衛

希望の降る街の半兵衛のレビュー・感想・評価

希望の降る街(1942年製作の映画)
3.9
殺人犯の濡れ衣を着せられ脱獄した男が幼馴染みの娘の家族が所持する家に隠れようとするが、そこに運悪く優秀な検事が暮らすことになり…。こんな三人が色々あって一つ屋根の下同居生活を送るのもさることながら、いつしか三人がそれぞれ好意を抱いて三角関係になっていくのも他の恋愛ドラマにはない面白さがある。

脱獄囚のケイリー・グランドは自分の身分を検事に対して危機すれすれでごまかそうとするのがスリリング、そのくせ検事の前に堂々と現れて平然と飯を食べたり彼の言動に意見を言ったりする図々しさが可笑しい。そんなコミカルさとハラハラが絶妙なバランスで保たれて最後まで維持していくのが巧い。

そんな三角関係が一旦グランドの逮捕で解消するかと思いきやの二転三転も楽しく、事件の解決とそれぞれの関係の清算がダブるラストへの流れも見事。

真面目な検事だけれどグランドのスリッパを履いたばっかりに彼のことを追跡する警察犬に追われるシーンに爆笑。
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