南宮龍八

ワンドゥギの南宮龍八のレビュー・感想・評価

ワンドゥギ(2011年製作の映画)
4.0
障害者である韓国人の父親とフィリピン人の母親との間に生まれたハーフの高校生ワンドゥク(ユ・アイン)を中心に下町で精一杯生きる人たちの日常を綴った作品。淡々と進む物語の中で時折垣間見ることができる人情味溢れるエピソード、特にワンドゥクが母親のために靴を買って心を通わせていく場面は一際優しくて心にジワリとしみ込んでくる。いつも思うことだけど、韓国映画に出てくる下町の何気ない風景とか人々って、昭和の懐かしさを感じ取ることができて堪らないんだなぁ。悩み多きワンドゥク少年をゴミ扱いしながらもけっこう気にかけている担任教師ドンジェ(キム・ユンソク)も魅力溢れるキャラである。牛骨持って人を殺しまくるのも良いけど、ガサツだけど面倒見の良い等身大キャラも最高にハマる。アパートの隣人キム・サンホとの口喧嘩とか真面目にやればやるほど噴き出してしまうおかしみがある演技だけど、ユンソク演じるキャラの魅力って香港映画で言えば許冠文演じる小市民の悲哀に通じるような気がしてならない。

16/11/14 再鑑賞
南宮龍八

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