キャサリン子

アメリカン・ビューティーのキャサリン子のレビュー・感想・評価

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
3.7
郊外住宅地で妻と高校生になる娘と平和に暮らすレスター。
ところがある日、勤めていた広告代理店からリストラ宣告を受けてしまう。
これをきっかけに、一見幸せに思えた彼の日常の歯車が少しずつ狂い始め…。
第72回アカデミー賞で作品賞ほか全5部門を受賞したファミリー・ドラマ。


会社をクビになるわ娘の友人に一目惚れするわドラッグに手を出すわのダメダメオヤジと、
見栄っ張りで見るからに胡散臭そうな男との不倫にハマる妻と、
そんな両親を毛嫌いし隣家に住む盗撮趣味&ヤクの密売人の同級生と交際をする娘。
どうしょもない一家なんだけど、わりとどこにでもあるありふれた家族像なのかもしれない。

隣人も含め、登場人物は皆虚栄心のかたまり。
タイトルの「アメリカン・ビューティー」は、品種改良で作られたバラの名称で、登場人物たちの虚勢=みせかけの美にかけてるんだろうな。
人に弱みを隠し、虚勢を張っていないと生きにくいのが昨今のアメリカ社会だとすれば、その豊かさ故に無理が祟り逆に生きにくくなっているのが、競争社会の負の部分だと言いたいのかも知れない。



娘の友人「男は皆わたしを見て夢中になるの。12の時からずっとね。
学校の男の子も同じ。
わたしをズリネタにするのよ。」


妻「何してるの?」
夫「べつに」
妻「オナニーしてるの?」
夫「まさか」
妻「いえ、してたわ!」
夫「分かった。殺してくれ。オナニーをしてたよ。そうだよ、息子を握ってせんずりをこいてた。ニンジンをしごいてたよ。僕の怪物くんに挨拶をしてたよ」



こんなセリフが普通に出てくるブラックユーモアに溢れた映画ですが、全然笑えないのに逆に面白かった(笑)
キャサリン子

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