いち麦

恋におちたシェイクスピアのいち麦のレビュー・感想・評価

恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)
5.0
まだ駆け出しの劇作家が実らぬ恋に落ちていく物語と、男性しか芝居の舞台に立つことを許されなかった時代に役者を夢見る女性が自己実現していく物語とを束ね、シェイクスピア自らロミ・ジュリの世界に入り込んでしまったかのような演出で描く脚本がミラクルで素晴らしい。数多くの脚本賞受賞も納得。ただ、中世ヨーロッパ文学を模す演出意図は理解できるものの、女性を過剰な容姿称賛の美辞麗句で口説く恋愛パートにだけは流石に乗り切れなかった。でも、J.デンチ演じるエリザベス女王の一喝が入る中盤から俄然面白くなっていき、芝居が作られていく様子にのめり込んでしまった。G.パルトロウ演じるヴァイオラの男装はどう見ても女性的なんだが、これもこの映画の魅力になっていると思った。
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