ヴぇる

恋におちたシェイクスピアのヴぇるのレビュー・感想・評価

恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)
2.6
1999年の作品賞としては些かチープでチョコレートにさらに砂糖を塗りたくった様な甘ったるい作品だ。
この年には「プライベートライアン」「ライフ・イズ・ビューティフル」と名作がノミネートされていたにも関わらず今作が作品賞を受賞している。98年の作品賞「タイタニック」に引っ張られた形でラブストーリーが作品賞になったのだろう。

さて内容だが、まず、主人公とヒロインに感情移入する事が難しい。なぜなら、ヴィオラは自分の夢とために劇場や他の迷惑を顧みず俳優業を行い、シェイクスピアは自分可愛さの余りライバルの名を語り結果は違えど死を近づける行為を行うからだ。

1番納得出来ないのが、ヴィオラとシェイクスピアが自分の正体を偽っているシーンが共にあるが、誰もその点に触れず生活している所が違和感でしかなく、無理矢理感が強過ぎる。明らかにターゲット層である女性を舐めている。
さらに、中盤にあったアクションシーンはリハーサルすらしてないのでは?と思わせる程でワーストと言っていい。
加えてシェイクスピアならではの言葉の重みを感じれるシーンはほぼほぼ皆無で特に必要性を感じない。

脚本賞も獲得はしているが、勘違いや誤解や嘘など良くあるお決まりのシーンも多く様々な問題も結局はお上の一言で解決と安っぽさすら感じる程だ。

オスカーを獲得しただけあって、セットや衣装は素晴らしい。時代背景にピッタリの雰囲気に広さを感じられるし、この時代の世界観に心から浸り込むことが出来る。

だが欠点をあげればキリがなく凡作と言った印象だ。シェイクスピアの名を借りた安っぽいラブコメと言った形の作品だ。
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