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ウィッカーマンのyoshikiのネタバレレビュー・内容・結末

ウィッカーマン(1973年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

1973年製作のイギリス映画で、ミッドサマーの元ネタになっているカルト的映画。

一人の少女の捜索依頼を受けとある離島に警官が一人捜査にくるのだが、島民たちの様子がどこかおかしく独立した島の閉鎖的な宗教観や倫理観に対して自分の常識が揺らいでいく。

少数派が多数派に対峙した時の無力感。キリスト教徒の主人公の意思が強く熱心がゆえ、余計にそれが浮き彫りになる。
それでも目的を遂行し最後に見つけた希望(行方不明だった少女)が最初から仕組まれた罠だと分かり反転して絶望に変わる様、その後のやりようの無い孤立感は圧倒的。

物語のラスト、生け贄になる運命が決定的になった後に初めて登場する枝で編まれた人形の檻は、造形物としてとても魅力的。祭儀の様子も相まってポスターで見た時より神秘的な印象を受ける。
引きの絵から寄って細部が写された時、この造形物がどう使われるものなのか徐々に分かり、それが絶望観を継続させる。
救いのないラストと夕日のコントラストは他にはない後味の悪さを演出している。
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