KANA

オー!のKANAのレビュー・感想・評価

オー!(1968年製作の映画)
3.7

実写版ルパン三世第2弾!
いや製作はこちらが先。笑

ロベール・アンリコ監督、原作ジョゼ・ジョヴァンニ、音楽フランソワ・ド・ルーペ、ヒロインにジョアンナ・シムカス…の『冒険者たち』製作チームに、主演ベルモンドを加えてのクライム作品。

ベルモンド演じるフランソワ(通称オー)は
カーレーサー→ギャング→脱獄→強盗
と、手際よく転身。
そして紙面には「アルセーヌ・ルパン+アル・カポネ」と大々的に載るほどまでに!
本人、それを手にまんざらでもなさそう笑

脚本が甘くて現実味はないものの、これもアニメを観てるような楽しさがある。
特に、刑期の浅いホームレスの囚人にすり替わって出所するまでのコミカルさ♪
画面から臭ってきそうな不潔感も相当なもの。

がしかし!娑婆では華麗なほどガラリとリュクスなスーツスタイルに戻るギャップが素敵。

なんといってもベベルの抜け感、ハズシの美学。(←いつも言ってるw)
そしてシムカスのコケティッシュな可愛さ♡
この二人が共演してるっていうだけでプレミア付き。
キャメルのレザーコートを着たベベルとミンクのコートに包まれたシムカスが並んで歩く姿が小粋でたまらない!

ネクタイコレクション、クルマ、高級細葉巻き、シムカスがモデルのファッション誌や街角の広告等々、ディテールもファッショナブル。
もちろんハンドル&拳銃さばきも抜群にカッコいい。

ビターな結末だし全体的にもほろ苦いのに、演出はハズしてキメキメにしない、軽快さをちょい足ししてペーソスに浸らせすぎない、というバランスは『冒険者たち』に通じるものがある。
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