このレビューはネタバレを含みます
妻との結婚生活と、正義を貫くことにささやかな生き甲斐を感じていた主人公フランク。しかしある日突然、その最愛の妻を謎のいかがわしい男に寝取られてしまう。悲嘆に暮れるフランクだったが、これまた突然降ってきた神の啓示とテレビのヒーロー番組の台詞に突き動かされ、正義の執行者「クリムゾンボルト」としてダサいスーツを身にまとい、ヒーロー活動を始めるのだった。果たして彼は無事にこの世の悪を一掃し、妻を取り戻すことはできるのか。
「キックアス」と似てるようで全然違う。地に足をつけていると言うか、超人的なヒーローは一切出てこず、正義という曖昧なものに振り回され暴走する、あくまで「等身大」の人間の狂気を描いている。その正義執行があまりにも暴力的なものだから、これが果たして正義なのか、正義の皮を被せただけの「欲求不満の解消」じゃないのか?と思えてくるなど、ふざけているわりに本質的な問いかけが散りばめられている。