ジョン

スーパー!のジョンのネタバレレビュー・内容・結末

スーパー!(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

やはり温かくて優しくて誠実な映画やなあと久しぶりに観て思った。不幸のどん底に落とされた主人公の徐々に狂気に蝕まれていく様は滑稽でありながら真実味を帯びた悲痛なもの。一方で彼の依存する正義の暴力性もしっかり描く。このバランス感覚こそがジェームズ・ガンの誠実さの表れだと思うし、各キャラの描き方にも愛を感じる。

ラスト、たくさんの完璧な瞬間に囲まれたフランクは一羽のうさぎを手にする。サラもリビーも失った彼はまた一人ぼっちになったけれど、彼の勇気に救われた人がいる事実を確認して、ようやく彼は救われる。しかし、彼は潤んだ目でリビーの絵を見つめる。コマとコマの間を彩ってくれたリビーの絵を。もうここでボロ泣きですわ毎度。

こんな重厚で感動的な物語なのに、基本のトーンはオフビートな笑いに包まれた軽快なバイオレンスアクションというのがまた凄い。この落差がやっぱりジェームズ・ガン天才的。
ジョン

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