【第50回アカデミー賞 外国語映画賞受賞】
『年上の女』シモーヌ・シニョレ主演の人間ドラマ。LA映画批評家賞では外国語映画賞を受賞、そのままの勢いでアカデミー外国語映画賞も受賞した。セザール賞では主演女優賞を受賞した。
近年ソフィア・ローレン主演でリメイクされたが、それのオリジナル版となる本作、日本版が出ていない。英語字幕で見たのだが、比較的分かりやすい英語なので大丈夫だった。
物語としてはよくあるものであるが、やはり主演の「マダム・ローザ」を演じたシモーヌ・シニョレが素晴らしい。いくつもの荒波を乗り越えてきた老女を哀愁たっぷりに演じている。
ユダヤ人であること、元娼婦であることなどを悩みつつも力強く生きる。モモとの強い絆もよかった。最後はちょっとびっくりするけど、なんだかんだ収まるべきところに収まった。
これはちょっと良くない見方だけど、いかにもアカデミー賞が好きそうな作品だった。ユダヤ人差別、老人という要素がもろにそうだよね。
映画としては少し一本調子で退屈に思えるところもあったのだが、それを補ってあまりあるのがシモーヌ・シニョレの存在感。やはり素晴らしい俳優さんだ。
話としておかしいところはあるが、とてもいい映画だった。マダム・ローザの一挙手一投足に目が離せない。ソフィア・ローレンのリメイク版も今日的でよかったが、このオリジナルも負けていない。