福福吉吉

8mmの福福吉吉のレビュー・感想・評価

8mm(1999年製作の映画)
3.0
死んだ富豪の金庫から、少女がマスク姿の大男に切り刻まれて殺害されるシーンを撮影したスナッフフィルムが発見された。私立探偵トム・ウェルズ(ニコラス・ケイジ)は、富豪の未亡人からの依頼で、そのフィルムの真偽、映されていた少女の安否について調査を開始する。

ウェルズは猥褻物を取り扱ういわゆる風俗業界に探りをいれ、スナッフフィルムをを撮影する業者を探し当てるまでが非常に地道に調べていくのだが、ウェルズがビデオを一本一本、内容を見ていく姿は正直、気分の良いものでは無い。また、出てくる風俗関係者も精神的におかしな人間ばかりで非常に不愉快だった。
本件のスナッフフィルムを撮影した関係者を探し当て、対決するウェルズだったが、このときのウェルズの目的が、フィルムの真偽でなく、少女の殺害に対する断罪に変わっていたのが、愛する妻と生まれたばかりの赤ちゃんを持つ正常なウェルズの人間性を表していて良かった。
しかし、フィルムが事実であったことで、富豪の未亡人や少女の母親にとって望まれていない結末につながるところが、なんとも悲しい話だった。
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