マイ ベストムービー第6位
★5.0 +アルファ
「良い悲鳴だ。良い悲鳴、、」
ピアノの旋律。
やつれた顔。
悲鳴。
もう心が痛くてたまらんっっ、、
お下劣でド派なデ・パルマ節は封印され、抑えられた静かな狂気が走るデ・パルマ節が炸裂!!してしまったド傑作。
デ・パルマ作品のなかでも落ち着きのある作風ながら、叫びたくなるほど衝撃的な展開に涙が止まらない サスペンス映画。
初めて観たときの衝撃は忘れられない。
確か、私がまだデ・パルマにハマる前、とにかく背伸びして色々な映画観てたころ笑
トラボルタさん主演で、なんとなく気になるタイトルだったから みたいな理由で ケーブルテレビ放送を録画して観た記憶。ただその日の映画に関する記憶は、やっぱクライマックスしかない笑
そのときはたぶん、 この作品の落ち着いた作風に退屈してたと思う。けどね、例のあの展開で一気に惹きつけられて 強烈なラストの “必殺耳塞ぎ”で 心を打たれてしまいましたね〜!!
それから何度か今作や他のデ・パルマ作品を観重ねていって この落ち着いた作風にも納得。
「殺しのドレス」での酷評に たじたじになっちゃったんですよね〜!!笑笑 好き放題やったエロサスペンスが酷い言われようでしたものね〜。 そりゃ猫かぶった作風で、最後に観客を絶望のどん底に突き落としたくなりますよね〜笑
それは本当かわかりませんが、おそらくデ・パルマ監督は 真面目に丁寧に自分なりのサスペンスを作り上げたかったのでしょうね。
そりゃ、70年代のようなド派手さとお下劣さを全面にだそう とはならないわなぁ。
音楽、ストーリー、演出。すべてが上品に、丁寧にまとめ上げられているような印象。
まず、伏線の撒き散らされたオープニングクレジットからして素晴らしい。音楽はまだ目立ってこないけど、そこ以外の要素がすでこの時点で静かに神々しい輝きを放ちながら組み合わさっております。
伏線となるアイテムや演出、スプリットスクリーン。2回目以降、このオープニングに唸りまくること間違いなし。
ここだけでデ・パルマ様がどれほど 優れた腕の持ち主か、おわかりになるかと思われます。なので、もう これ以上の心なしな言葉は言わないであげてくれー!!笑笑
オープニングも素晴らしければクライマックスも素晴らしい。
クライマックスではすでに音楽が感情的に荒ぶりまくって、スローモーションのなかで走りまくるトラボルタさんと観客を煽りまくります!
そして、映画史上最強なほどに強烈な花火シーン。そこらの夏花火映画にゃ越せないぜ〜こりゃ。
クライマックスに近づくにつれて、サスペンス性が発揮されてきて、鼓動が高ぶるのですが、全体的にみても やっぱり堅実で 落ち着いた雰囲気、世界観が展開されている デ・パルマ作品の中でも 珍しい映画。
不思議なんですよねぇ。どこからどう見てもデ・パルマなのに、デ・パルマにしては特に堅実だなー、といった印象。ただし、これもしっかりデ・パルマ様。