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豚と軍艦のodyssのレビュー・感想・評価

豚と軍艦(1961年製作の映画)
2.8
【ラストシーンが救い】

アメリカ軍兵士が闊歩する横須賀。
ヤクザの子分になっている若者(長門裕之)と、彼を何とかまともな職業に就かせようとする恋人の少女(吉村実子)を軸に、若者の兄貴分(丹波哲郎)や、水商売で一家を支えている少女の姉(中原早苗)などが登場する群像劇。

1961年の映画だけど、今見ると斬新さを感じないし、ヤクザにあこがれる長門裕之も、彼を更正させようとする吉村実子も、さほど魅力的とは言えない。筋書きの凡庸さとあいまって、特にどうということのない映画という印象だ。

特に、吉村実子はこれがデビュー作だそうだけど、とりたてて美貌でもなく存在感もないので、女優として大成しなかったのも仕方がないかな、と酷なことを考えてしまう。
むしろ姉役の中原早苗のほうがよほど魅力的。

お金を稼ぐ材料になるはずだった豚が集団で路上を遁走するシーンがラストにあり、これがかろうじてこの映画を救っている。
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