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THE 4TH KIND フォース・カインドのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.3
いやーなんとまぁ気味の悪い映画。

ミラジョヴォヴィッチが「ミラジョヴォヴィッチです。今回の主役の心理学の博士を演じました。この映画は〜。信じるか信じないかは〜」と関ルバーグ的な前置きをするところから話が始まる。
ドキュメントとまではいかないが、とは言え、普通の映画とも違うこの作品独特の演出や世界観。

フィクションだと思われてることをノンフィクションだと言い張る話を演出と実在のパーツを組み合わせて作り上げる。
博士がこの一件や日々の治療活動で録り貯めた実際の映像を駆使しながら、実際の映像と演じるシーンを組み合わせたり併用したり。
なので、なかなか確信部分の映像のリアルさ。
確信部分の映像は何でそうなんねん!?とは思うが、ちゃんと撮られてたとしても直視はできない気もする。この映像の不完全さ、荒さが逆にその“何か”に対する興味と底知れぬ不安、不快、恐怖感を煽ってるとも言えなくもない。

そして、あの博士ご本人の外見、雰囲気自体もどこか“何かが変”感を掻き立てる。
アブダクト、この一件や様々なUFO目撃談これがどこからどこまでが事実なのか。映像も荒いが事実としてあれが撮れてしまったからには、少なくも通常の行為や常識では考えにくい“何か”があって、それが博士の心や人生や環境を変えたことは間違い無く、それは決して気持ちの良いものでもなく、誰かが肯定も否定もしにくいことなので、ホラーとしての恐怖というより本当に形容しにくい気持ち悪さがある作品。

あの実際の映像や音声が使われるたびに戦慄するような衝撃がヒタヒタと確信部分に迫ってくる。信じるか信じないかは〜みたいなとこはあり、これが本当なら怖くて仕方ない。

これだけ高性能なスマホやカメラが発達する世の中になってからこういった類の話が激減しているような気もするし、普通に考えれば非現実的なことでただの都市伝説や妄想狂言みたいな話ではあるが、ここまで材料を揃えて、なるべく客観的に予兆から始めて少しずつ“あっち”の話にされると、確実に100%否定できない不思議な感覚に襲われ、何ともインパクトが強い作品。
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